1994 Fiscal Year Annual Research Report
リビングアニオン重合法による液晶セグメント含新規ブロック共重合体の合成
Project/Area Number |
06651020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平尾 明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00111659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 克彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (30188205)
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Keywords | 液晶 / ブロック共重合体 / アニオンリビング重合 / ミクロ相分離 / スメクチックA相 / メトキシフェニル基 / ドメイン周期 |
Research Abstract |
メトキシビフェニル基をメソゲン部分としたメタクリル酸エステルを合成し、アニオン重合を行なった結果、-40℃、テトラヒドロフラン中で安定なリビングポリマーが生成することを見いだした。さらにリビングポリスチレンから上記メタクリル酸アステルを重合させることで、分子量が規制され分子量分布が非常に狭い(Mw/Mn<1.1)ブロックポリマーの合成にも成功した。これにより、組成を20-80%、分子量を数千から5万程度まで変化させたブロックポリマーを系統的に合成出来、液晶相発現とブロックポリマーの構造の関係について詳細な検討が可能となった。 単独ポリマー及びブロックポリマーを小角X線散乱、透過電子顕微鏡観察、DSC、さらに偏光顕微鏡観察により、液晶相はスメクチックA相であることが初めて明らかになった。また、ポリマーの分子量は液晶温度領域に大きく影響を及ぼし、単独重合体、ブロックポリマーのいずれにおいても、分子量15000程度まで変化し、それ以上の分子量ではほぼ一定の値になることがわかった。 組成が50%のブロックポリマーは、予想通りミクロ相分離し、用いた分子量の範囲(5000-40000)では、すべてラメラ構造を取ることが観察された。さらに液晶温度領域でドメイン周期が温度が上がるにつれて、減少していくことがSAX測定より明らかにされた。このような挙動は従来全く報告されておらず、非常に興味深い結果であり、大きな意義をもっている。現在、ポリスチレンセグメントをTgの低いp-オクチルスチレン、及びTgの高いα-メチルスチレンのポリマーに変えたブロックポリマーを合成し、検討しているところである。
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Research Products
(1 results)