1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651022
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90029322)
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Keywords | 包接重合 / 一次元重合 / インターカレーション / ホスト・ゲスト / コール酸 / ステロイド / ビニルモノマー / ジエンモノマー |
Research Abstract |
本研究では空間依存重合と有機層状結晶のインターカレーションの概念を融合させて、新しい重合反応を開拓することをめざした。従来の包接重合ではゲストであるモノマーの反応を中心に議論されていたが、本研究により、ホスト側にも動的特性のある包接重合の存在が実証された。主な研究成果をつぎに記す。 1.天然ステロイドのコール酸及びその誘導体をホストとする、モノマー包接化合物の合成法を確率した。従来、モノマー包接化合物は、直接あるいは溶媒を用いる再結晶法で得られたが、コール酸の場合、我々が開発したインターカレーション法がより適した方法であった。モノマーとして、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロロアクリロニトリルなどのビニル系、2,3-ジメチルブタジエンなどのジエン系のどちらも包接化合物を形成した。 2.モノマー包接化合物が、チャンネルをもつことが明らかになった。今までに得られた各種スペクトルやX線構造解析データをもとに、モノマー包接化合物における分子集合様式を決定し、これら化合物が、重合反が起こるために必要な分子レベルの一次元空間をもつことがわかった。 3.コール酸系ののホストでも、ビニル・ジエンモノマーの包接重合がようやく可能になった。特に、インターカレーション法で包接重合を行うと、収率よく高分子が得られた。生成高分子の立体規則性はかなり低下していた。これは、コール酸系ホストがデオキシコール酸系ホストよりも大きな反応空間を提供することを反映していると考えられる。このように分子レベルの空間効果が確認されるとともに、ホスト分子集団の動的特性がかなり明らかになってきた。
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[Publications] 宮田,幹二: "包接重合から分子情報の表現へ一定序性炭素鎖オリゴマーの世界一" 高分子加工. 43. 560-565 (1994)
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[Publications] 宮田,幹二: "柔軟性に富むタンパク質類似結晶" 第43回高分子年次大会予縞集. 43. 541 (1994)
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[Publications] 中野,万敬: "二重層状構造を持つゲスト依存性分子集合体" 第43回高分子討論会予縞集. 43. 3832-3833 (1994)
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[Publications] 宮田,幹二: "ステロイド包接結晶における分子情報の表現;定序性炭素鎖オリゴマー" 第43回高分子討論会予縞集. 43. 3830-3831 (1994)
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[Publications] K.Sada: "Inclusion Crystlis of Cholic Acid and Cholanamide with Alcohols:Imoprtance of Hydroger Bond“Double Hooks"" Chemistry of Matevials. 6. 1103-1105 (1994)
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[Publications] K.Sada: "Specific Inclusion of Water by N-Methyldeoxycholanamide Revealed by the Crystals Structure of the Hemihydrate" Chemistry Letters. 2113-2116 (1994)
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[Publications] M.Miyata: "Comprehensive Supramolecular Chemistry,Vol.10,Special Topics Related to Supramoleclar Chemistry:Inclusion Polymerization" Pergamon (Oxford,UK)(in press), (1995)
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[Publications] M.Miyata: "The Polymeric Materials Encyclopedia-Synthesis,Properties and Applications:Inclusion Polymerization" CRC Press Inc(Florida,USA)(in press), (1995)