1994 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレンオキシドマクロモノマーの重合性・共重合性に関する基礎的研究
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06651025
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023119)
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Keywords | ポリエチレンオキシド / マクロモノマー / 重合速度論 / ミセル重合 / 共重合 / ミクロスフェア / 分散重合理論 |
Research Abstract |
ポリエチレンオキシド(PEO)マクロモノマーは、親水性PEO鎖と疎水性重合末端基を含むために、それ自体が両親媒性であり、通常のモノマー、マクロモノマーと異なる特異的な、興味ある重合・共重合挙動を示す。今回、とくにPEO鎖の"高分子効果"に焦点を当てた詳細な検討から、次の成果を得た。 1.p-ビニルベンジル(VB)、p-ビニルフェニルアルキル(C4S,C7S)、メタクリロイル(MA)を末端とするPEOマクロモノマーを合成した。メタクリルオキシアルキル(C6,C10MA)マクロモノマーを新しく合成した。 2.PEO-VBおよびPEO-C4Sマクロモノマーの水中およびベンゼン中の光重合条件下でESR測定から、成長、停止の絶対速度定数を評価した結果、これらのマクロモノマーの水中の異常に速い重合は、ミセル形成に伴う局所濃度の増加とともに、成長(kp)の促進、停止(kt)の阻害によっていることが結論できた。 3.PEO-VB,PEO-C4S,PEO-C7Sマクロモノマーは、水中、重合末端基の凝集による明瞭な疎水場を作ることが、蛍光プローブ(pyrene)を用いた実験から、明らかとなった。 4.両末端にVBを含むテレケリックマクロモノマーは、ある臨界濃度、温度以上で白濁し、H^^1NMRに疎水性末端基の強い会合に伴う、高磁場シフトした新たなピークを示す。p-エチルベンジル末端モデルで詳細に検討した。 5.PEO-VBとPEO-MAの共重合は、水中では疎水性の大きい前者の重合性が高いが、ベンゼン中ではアゼオトロピックな組成を示した。このことは、重合末端基間の反応に高分子鎖の性質が強く影響することを示す。 6.PEOマクロモノマーは、スチレン、メタクリル酸アルキルのソ-プフリー分散重合に有効であり、0.1〜5μの単分散ミクロスフェアを生成する。粒子径制御を理論的に解析できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 伊藤浩一: "マクロモノマーを利用した分散重合粒子の設計" 高分子加工. 43. 510-516 (1994)
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[Publications] S.Kawaguchi: "Fluorescence probe study of micelle formation of PEO macromonomers inwater" J.Phys.Chem.98. 7891-7898 (1994)
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[Publications] S.Kawaguchi: "Dispersion copolymerization of butyl methacrylate with PEO macromonomers in methanol-water.Comparison with theory." Macromolecules. 28(印刷中). (1995)
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[Publications] 野村 英治: "ポリエチレンオキシドマクロモノマーの単独重合速度論" 高分子学会予稿集. 43. 1766-1767 (1994)
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[Publications] 西村浩和: "ポリエチレンオキシドマクロモノマー間の共重合反応性" 高分子学会予稿集. 43. 1768-1769 (1994)
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[Publications] 伊藤浩一: "マクロモノマー法による構造制御" 高分子学会予稿集. 44(印刷中). (1995)