1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651070
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
淺井 雅人 東京都立科学技術大学, 工学部, 助教授 (00117988)
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Keywords | 流体力学 / 境界層遷移 / 乱流 / ヘアピン渦 / 流れの安定性 |
Research Abstract |
本研究は境界層遷移についての基礎研究であり,特に乱流コンタミネーションは強い攪乱に対する境界層の非線形応答でありそれ自身乱流の芽がまさに生まれる過程であることから乱流機構を明らかにする上でも重要な問題として捉えられる。コンタミネーションの機構について普遍的な成果を得るためには基本的な流れと撹乱の組み合わせが重要であり,今年度は,粘性効果の大きな低レイノルズ数の平板上境界層に注目し,線形安定理論による臨界レイノイズ数以下の領域に開けられた小孔から強いヘアピン形状の渦を励起し,乱流構造が生まれる臨界条件やその過程の詳細を実験的に調べた。 その結果,運動量厚さに基づくレイノイズ数が亜臨界の150付近から,初めに励起したヘアピン渦の流下と共にその背後(脚の部分)でヘアピン渦のリジェネレーションが始まり乱流遷移に導く様子や,また,このような亜臨界遷移においては,スパン方向への乱流コンタミネーション(いわゆるラテラルコンタミネーション)が非常に弱いことや,そのような狭い乱流領域内でも対数速度分布等の壁乱流構造の特性が観察される,などの興味ある結果が得られた。 上記のような新たな知見が得られ,当初の目的がほぼ達成されつつある。成果は,乱流遷移に関するIUTAM(国際理論応用力学連合)シンポジウム(1994.9)および第26回流体力学講演会(1994.10)で発表された。
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Research Products
(1 results)