1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 清重 大阪大学, 工学部, 助教授 (10135668)
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Keywords | 滑走艇 / 未定境界問題 / 浸水面 / スプレー / アスペクト比 / 摂動法 |
Research Abstract |
滑走艇の設計あるいは推進性能推定を困難にしている最大の要因は、浸水面形状が静止時と航走時で大幅に異なることである。この問題の要点は、流場の決定と同時に境界自身をも決定対象とする未定境界問題となってしまうことである。本論は、 浸水面のアスペクトが大きいと仮定し、このような滑走艇の未定境界問題を解くことを試みたものである。 揚力線理論の定式化を未定浸水長を求める問題に適用し、 (1)摂動論的に浸水長を決定するための非線形連立積分方程式を導いた。 (2)さらに、後曳渦の効果を無視することにより、浸水長を未知関数とする積分方程式を導いた。この方程式は対数非線形項を伴うことから、解の分岐が起き、仮定に見合う解は、静的不安定であり、通常考える必要のない静水面上方に設置された滑走艇に対応するものであることが明らかとなった。 (2)の結論から、仮定にこだわらず、積分方程式を解いた結果を以下に示す。 (3)拘束状態の捻れのない滑走板の場合、トリム角に関わらず、拘束静止時浸水長分布が等しい限り、浸水長分布は等しいという相似則を得た。 (4)トリム角の非線形影響は自由流線理論により補正できる。 (5)計算された浸水長分布はアクリルモデルによる実験結果との定量的一致は見なかったが、特に、Spray root lineとハード・チャインが交わるような挙動、滑走板高さに設定限界があること等、定性的には実験結果をよく表している。 (6)あまり幅広の滑走艇は自由滑走状態に入れない。 (7)実験結果との定量的一致を求めるためには重力影響を考慮することが不可欠である。
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Research Products
(1 results)