1994 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラル・ネットワークを用いた小口径ボーリングの機械量データ検層に関する研究
Project/Area Number |
06651089
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20168298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (30002009)
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Keywords | ニューラル・ネットワーク / 適応共鳴理論 / ART2 / ボーリング / 検層 / ロックボルト / MWD / 機械量データ |
Research Abstract |
平成6年度では、室内岩石削孔実験、削孔機の機械量データをニューラル・ネットワーク(適応共鳴理論:ART2)を用いて解析するシステムの構築、並びに岩石の切削理論に基づく機械量データの信号処理方法とバラメータの選択を試みた。実験では、次年度に予定している現場適用試験を考慮して、ロックボルト孔用のウィングビット(外径27.5mm)を使用した。その結果岩種の違いは、切削理論で裏付けられるようにトルクや推力パラメータの大きさや、削孔速度と推力または削孔速度とトルクの比に反映されることがわかった。また、岩層の境界や比較的大きな不連続面(き裂や層間剥離)は、トルクデータあるいは推力とトルクまたは推力と削孔速度の比をART2への入力データとして、パターン認識により抽出できることがわかった。しかし、ビットが不連続面に近づくと、推力の影響によりその手前で破壊が先行し、き裂の間隙幅や傾斜角の推定精度が低下することが新たに判明した。このART2を用いたデータの解析には、本年度の補助金で予定通り購入したEWSを用いた。このEWSを中心にして構築した解析システムにより、削孔に伴う膨大な機械量データを高速に処理することが可能になった。岩石の切削メカニズムに対する検討からは、岩種や圧縮強度の違いが推力、トルク、削孔速度に反映され、特に削孔条件として回転数や推力を一定に保った場合には、削孔速度とトルクの比により推定できる見通しを得た。ただし、圧縮強度の推定にあたっては、事前に該当する岩石とビットを用いた削孔実験データが必要となる。 今後は、不連続面近傍での切削メカニズムの解明およびニューラル・ネットワークへの入力データの前処理や信号処理方法の検討を新たに加え、当初の計画通り研究を進める予定である。
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[Publications] 市原義久: "ボルト打設機による検層システムの開発" 資源と素材. 110. 814-817 (1994)
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[Publications] 板倉賢一: "ロックボルト孔MWDシステムの開発" 施工管理と工程監視のための地下計測ワークショップ論文集. 74-79 (1994)
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[Publications] Ken-ichi Itakura: "Development of Mechanical Data Logging System for Rock Bolt Drilling" Proc.of IMTMC'95. (発表予定). (1995)