1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651092
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幾世橋 広 東北大学, 工学部, 助教授 (70005263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 兵治 東北大学, 工学部, 教授 (80005412)
小林 陵二 東北大学, 工学部, 教授 (70006170)
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Keywords | アブレシブジェット / 水滴 / 氷粒 / 液化天然ガス / 液体窒素 / 液体水素 / 冷熱利用 / 過冷却 |
Research Abstract |
(1)研究目的:次世代アブレシブジェットの開発を,近年,需要が伸びているLNG(液化天然ガス)の冷熱を利用して行うための基礎研究である。従来の研究で欠如している水滴から氷粒への成長機構を数値シュミレーションと伝熱工学的実験により明らかにすることを目的としている。 (2)理論的研究:低温雰囲気流体として,LNG(成分:メタン,沸点:109.2K),液体窒素(沸点:70K)及び液体水素(沸点:20.4K)を取上げ,水滴が低温ガス中を飛翔する場合及び低温液体中を通過する場合を想定し,直径Dが0.01ないし2.0mmの水滴が静止状態からU=200m/sの速度で飛翔している場合について,水滴の中心温度が水の過冷却解消限界温度になるまでの時間及び飛翔距離を球の非定常熱伝導の厳密解を用いてシミュレーションした。その結果,氷粒形成時間t_<SC>は,水滴径が小さい程,沸点が小さい程及び雰囲気流体は気体よりは液体の方が短いことが分かった。また,t_<SC>は,雰囲気が気体のときは水滴の飛翔速度が大きい方が短いが,それが液体の場合は飛翔速度にほとんど影響しないことが分かった。例えば,気体が低温メタンガス(110K)で,初期水滴温度が277Kのとき,D=1mmではt_<SC>≒2_S及びD=3mmではt_<SC>≒14sとなる。 実験的研究:水滴径,初期水滴温度,添加物及び冷却速度などが水滴の過冷却解消限界温度に及ぼす影響を明らかにするため,多層断熱ガラス板を用いた氷粒成長観察装置を試作した。雰囲気温度は電気式冷凍機により-75℃まで可変で,水滴径は1.2ないし3.0mmとし,及び初期水滴温度は2ないし80℃まで変化できる。水滴成長過程は,マクロレンズ付き8mmビデオで観測・記録した。水滴から氷粒への成長は,水滴に縦方向のレーザスリット光を当てることにより,ノズル先端に作成した水滴中心断面にて観測した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 幾世橋広、小林陵二、半田啓二: "アイスアブレシブジェットに関する基礎的研究-静止水滴の温度変化に及ぼす粒径と雰囲気温度の影響-" 日本ウォータージェット学会 第9回研究発表講演会論文集. 43-52 (1994)
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[Publications] 幾世橋広、半田啓二: "LNGの冷熱利用に関する研究-気化ガス中における氷粒の成長時間" 資源・素材学会 平成7年度春季大会研究・業績発表講演要旨集. 129-129 (1995)
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[Publications] Hiroshi KIYOHASHI, Ryoji KOBAYASHI, Keiji HANDA: "Numerical Simulations on Growth of Ice Particles for Ice Abrasive Jets" Proceedings of the 4th Pacific Rim International Conference on Water Jet Technology. 175-186 (1995)
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[Publications] 幾世橋広、半田啓二: "アイス・アブレシブジェットに関する基礎的研究-LNG及び液体水素直接接触冷却時の氷粒の成長" 日本ウォータージェット学会 第10回研究発表講演会論文集. 1-10 (1995)
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[Publications] 幾世橋広、小林陵二、榎本兵治: "氷粒成長の観察-アイス・アブレシブジェットに関する基礎的研究-" 資源・素材学会 平成8年度春季大会研究・業績発表講演要旨集. (講演番号 1607). (1996)