1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651098
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
|
Keywords | 電磁探査法 |
Research Abstract |
(1)低周波電磁場の従う拡散型微分方程式を波動場の方程式に変換する方法について検討した.実際のデータは何らかのノイズを含むので,そのようなデータに対しても安定な変換法をめざすことにした.いろいろな手法について検討した結果,データをスプライン平滑化を行い,そのスプライン関数について変換を施すことにより,安定な解が求められることがわかった.さらにスプライン関数のラプラス変換法および仮想時間についての逆変換法についても検討した.その結果,逆変換にはGaver-Stehfest法が適用できることが解った. (2)時間領域用電磁探査送信機を購入し,鹿児島県桜島火山地域等で送信機の試験探査を行った.受信機は現有のフラックスゲート型磁力計を用いた.約1.5km長の送信線から8秒周期の休止時間を含む矩形波で,約1Aの電流を大地に流し,それにより発生する誘導磁場を測定した.約1km離れた地点において4台の磁力計を100m間隔で置き,誘導電磁場を観測した.その結果,約100pTの強度を持つ磁場が観測された.波形も100回程度のスタッキングを行うことにより,誘導磁場に伴う過渡現象が観測された.4地点での観測データを比較することにより,それぞれの地点の地下構造を解析できる可能性があることが解った. (3)スプライン関数を用いた解析法を現地から得られたデータに適用し,探査深度をある程度確保するためには,数秒以上にわたり明瞭な過渡現象が観測されている必要があることが解った.したがって今後、このようなデータが取得可能な観測法を考えていく必要があると考えられる.
|