1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06651099
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
広江 哲幸 熊本大学, 工学部, 教授 (90218826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 和人 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50219060)
松尾 日出男 熊本大学, 工学部, 教授 (00040395)
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Keywords | スポール破壊 / 平面爆轟波 / 発散・収束爆轟波 / モーメンタム・トラップ / 細線爆発 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、まず予備的検討として材料を高速破壊させるための応力波発生方法について各種の実験を行った。本研究では爆薬の一斉面起爆技術を応用して材料中に応力波を発生させようとしており、高性能起爆装置の購入によって起爆の精度向上を図った。その結果、±200nsの時間精度で50mm-80mm角の面積に平面爆轟波を発生させることができることを確認した。また面起爆技術の応用として材料中に円筒状収束衝撃波を発生させることも試み、PMMA中に対称性の良い収束波を生成させた。ただし一次元の収束波を発生させるには広い面起爆が必要で、そのために高電圧のコンデンサーバンクが不可欠となり、物質研の実験設備を利用した。15EA02:これらの予備実験の後、アルミニウム(Al2020)を対象に、爆発衝撃による高速破壊実験を試みた。開発した実験方法では、50x50x20mmの供試体に5-20mmの薬厚のPETN爆薬を直接接触させて設置し、直径100μmmの平行銅細線・16本を衝撃電流で爆発させることで平面爆轟波を発生させ、供試体中に鋸波状の平面衝撃波を入射させる。この結果、自由表面で反射した衝撃波が引張り応力波となり、材料中に剥離破壊(スポール)を発生させることができた。供試体の回収は水中で行った。これらの実験の結果、薬厚とスポールの発生位置との関係が把握できた。また、実験と平行して爆轟から固体中の衝撃波伝播までを解析する一次元ラグランジ座標系の差分解析プログラムを作成した。この解析コードの開発では、購入した高速演算処理機が有効に利用された。つぎに解析コードに種々の破壊則も組込みながら、各シミュレーション結果と実験結果との比較検討を行うことで時間依存破壊則の有効性が確認できた。来年度は引き続き材料を変えて平面波による破壊実験と数値解析を行ってゆく予定であり、また発散波・収束波による材料の破壊についても検討を進めたい。
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[Publications] 広江哲幸: "線爆発を利用した固体中収束衝撃波発生装置" 火薬学会誌. 55. 24-30 (1994)
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[Publications] 広江哲幸: "平面爆轟波によるアルミニウム合金のスポール破壊" 日本材料強度学会誌. 28. 18-32 (1994)
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[Publications] 広江哲幸: "A Production of Cyliudrical Imploding Shocks in Solid by Exploding Wire Rows" Proc.of Joint AIRAPT/APS Conference. Part 2. 1667-1670 (1994)