1995 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞胚の乾燥耐性機構の解明と乾燥系人工種子への利用
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06660003
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 助教授 (10133894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
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Keywords | 体細胞胚 / 乾燥耐性 / 人工種子 / アブサイシン酸 / 花粉培養 / Brassica / Glycine max |
Research Abstract |
1.ABAによる不定胚の乾燥耐性獲得と種子の乾燥耐性に関与していると考えられているLEA遺伝子との関係を明らかにするため、ABA処理時間を変え、胚の乾燥耐性の獲得とLEA遺伝子の発現との関係をナタネと白菜で調査した。その結果、ABA12時間処理で耐性の獲得は見られ、48時間以上の処理により耐性獲得の頻度は高まった。また、ノーザン分析によるLEA遺伝子の発現も同様の傾向にあり、12時間で発現が見られ、48時間でプラトーに達した。 2.LEA遺伝子の乾燥耐性に対する関わりを明らかにするために、CaMV35SプロモーターにLEA遺伝子をセンスとアンチセンス方向につないだキメラ遺伝子を作成し、Tiプラスミド法を用いてタバコに遺伝子導入を行った。現在、形質転換体が数個体得られており、その植物の乾燥耐性ならびに種子形成を調査中である。 3.LEA遺伝子以外に乾燥耐性に関与している遺伝子の単離をDDRT-PCR法で試みており、いくつかの特異的遺伝子を単離し、構造解析中である。 4.ABAによる体細胞胚の乾燥耐性獲得が他の植物でも見られるかどうか明らかにするため、ダイズの未熟胚を誘導した。15系統供試し、いくつかの系統で高い胚形成が見られたが、それらかの2次胚、3次胚の形成効率が悪かったため、乾燥耐性の検討までは調査できなかった。来年度、もう一度調査したい。
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[Publications] Wakui,K.: "Expression and isolation of lea gene in deskcatron-tolerant microspore-derived embryos in Brassica napus L.and B-campestris L." Proc.9th Inter. Rapeseed Congress.825-827 (1995)
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[Publications] 和久井 健司: "Brassica属小胞子由来乾燥耐性胚のLEA遺伝子の発現及び塩基配列の比較" 育種学雑誌. 45(別2). 70- (1995)