1994 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズとツルマメを区別する種特異的種子成分の比較研究
Project/Area Number |
06660004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
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Keywords | ダイズ / ツルマメ / トリプシン・インヒビター / 種子タンパク質 |
Research Abstract |
平成5〜6年度において行った研究の結果として、ツルマメの種子成分でダイズには認められない蛋白質様の成分があるとの感触を得たが、その後の研究で、これはツルマメ及びダイズの種皮の中に含まれているもので、ツルマメには比較的多くの系統に分布するが、ダイズの方にも存在するものであることが明らかにされた。したがって、種特異的とは言い難い。しかし、分析ゲルに紫外線照射をすると、その部分に強い蛍光が出るという特徴があり、引き続き多くのダイズとツルマメの品種ないし系統で調査を行っている。 本研究は、ツルマメの種子に含まれるトリプシン・インヒビター(クニッツ型)の遺伝的多型を分析中に副産物的に見出されたものであるが、そのインヒビター多型の研究を継続している中で、新しい多型(Ti-aの亜型)が見出された。Ti-aよりも電気泳動ゲルの中での移動度が僅かに遅いものである。これは、ツルマメの系統にはかなり頻繁に見出だされたが、ダイズの品種の方にはまだ見出されていない。本研究の当初目的に関係するので注目しているところである。 ダイズの育種における遺伝子源となるツルマメについては、ここ数年東北、関東、を中心に各地で系統の収集を行ってきた。平成6年度は、宮崎県と大分県を中心に九州地方の系統を収集した。沖縄本島にも2回採集を試みたが、殆ど全島を探索したにも拘らず、遂にツルマメを見出すことはできなかった。この点は分布上非常に興味あることである。
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