1995 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズとツルマメを区別する種特異的種子成分の比較研究
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06660004
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
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Keywords | ダイズ / ツルマメ / トリプシン・インヒビター / 種子蛋白質 / 生態型分化 / 遺伝子源 |
Research Abstract |
ダイズとツルマメを区別する諸特性について、種子成分を含めて多くの形質について調査研究を行ったが、成分については特段に注目すべきものは未だ見出されなかった。しかし、開花後に茎葉から種子へ成分が移行する段階で野生種(ツルマメ)と半野生種(G.gracilis)と栽培種との間では、移行成分量や相対比率等でそれぞれが典型的に異なることが明らかになった。栽培種は成分移行が効率的になるということである。全国各地から収集した70系統ばかりを栽培し、その形態的特徴を主成分分析法によって類型分類を試みたところ、関東以北から北海道に到る地域と関東以南から九州に到る地域で生育するツルマメにはそれぞれの地域に特徴的ないわば生態型の分化があることが明らかにされた。 また、日本におけるツルマメの分布の北限及び南限をほぼ明らかにすることができた。北限は北海道の南部で、渡島半島とその近傍に限られ、南限は九州南部で、沖縄には存在していないと見ることができる。 Kunitz型トリプシン・インヒビターについては、従来知られていた5タイプの他に3つの別の多型が存在することが認められ、そのうちの1多型については構造遺伝子の核酸塩基配列における差異をも明らかにすることができた。また、遺伝様式についても従来知られていたものと同じく、Ti座の共優性遺伝子として行動するものであることを明らかにすることができた。
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[Publications] 王 克晶ら: "ダイズトリプシン・インヒビターの新しい電気泳動的多型" 育種学雑誌. 43(別2). 177-177 (1993)
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[Publications] Wang.J.K.,et al.: "Detection of two new variants of soybean Kunitz trypsin inhibitor through electrophoresis." Breed.Sci.46. 39-44 (1996)