1996 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズとツルマメを区別する種特異的種子成分の比較研究
Project/Area Number |
06660004
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 矩彦 岩手大学, 教授学長 (00003773)
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Keywords | ダイズ / ツルマメ / トリプシン・インヒビター / 種子蛋白質 / 生態型分化 / 遺伝子源 |
Research Abstract |
全国各地で生育調査したツルマメ系統の生育密度のデータに基づいて、我が国におけるツルマメの分布の北限と南限の推定を行い、北海道の南部と九州の南部がそれに当たるとの結果を得た。また、全国各地で収集したツルマメ系統を栽培し、30形質を行っていたデータに基づく主成分分析法を適用して、生態型の分化があるかどうかを調べた。その結果、少なくとも関東以北のタイプと関東以南のタイプが明確に分かれることが明らかとなった。 本研究の過程でツルマメに見いだした、クニッツ型トリプシン・インヒビターの新しい多型(Tia-s)を取り上げ、その遺伝子をDNA塩基配列が明らかにされている(Tia)遺伝子の上流下流の20塩基配列を人為合成したプローブを基にPCR法で変異遺伝子を増殖単離して、それについて合成停止法を用いて塩基配列の同定を行った。その結果、変異遺伝子はリーダー配列部分に塩基の挿入変異と構造遺伝子配列部分に1塩基の置換変異があることが明らかとなった。その結果、180アミノ酸で構成されるクニッツ型トリプシン・インヒビターの中では1アミノ酸の置換が行われていることが判明した。 また、これまでの3カ年分の成果のとりまとめを行い、報告書を作製した。
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