1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質特異性を有する核遺伝子の単離とその機能に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06660007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村田 稔 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20166292)
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Keywords | 核細胞質相互作用 / コムギ / ミジェット染色体 / ライムギ / RAPD / YAC |
Research Abstract |
ライムギの細胞質を有する六倍性コムギ(cereale)-CSには、"midget"と呼ばれる非常に小型の染色体が存在する。本研究では、この染色体に座乗し、ライムギの細胞質と相互に作用する遺伝子の単離を目的としている。本年度は、特異的DNAマーカーの探索を、RAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)法を用いて行った。約300種類の任意の10塩基オリゴマーを用いて PCRを行ったところ、(cereale)-CS DNAに特異的な2種のRAPDマーカーが得られた。現在これらをクローン化中で、今後周辺の塩基配列を決定することにより特異性を高めるオリゴマーを作製する予定である。 さらに、これらのマーカーが有効に利用でき、巨大 DNAをクローニングできる酵母人工染色体(YAC)ベクター(pJS97/pJS98)を使い,(cereale)-CS DNAをクローン化している。このベクター系では、pJS97とpJS98がそれぞれ、(cereale)-CS DNAの両端にライゲートすると初めて、人工染色体として機能する。現在まで、数千のクローンが単離されたが、挿入されている DNAのサイズは、150kb前後とまだ短い。また、クローン化されたDNAの構造変化が最近明かとなり、今後の研究に支障となった。この原因は、クローン化された DNAに多く含まれる反復配列であると考えられた。そこで、組換え(rad)の二重突然変異株(YKK115)の分与を受け、形質転換を行った。しかしながら、この宿主では形質転換率が非常に低くなるため、多くのクローンを拾うのに多大の労力と時間を必要とすることが明かとなった。現在は、これらの問題を解決すべく、形質転換法等の改良を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Murata,M.: "Molecular structure of a midget chromosomes from ryc." Proc.US-Japan Joint Seminar,Mannhattan,Kansas,U.S.A.(In press) (1995)
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[Publications] 田島茂: "ライムギmidget染色体遺伝子の解析.V.Midget染色体はRNAエディティングに関与するのか?" 育種学雑誌. 44(別1). 31- (1994)