1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660031
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
市橋 正一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00024084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 弘一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20211790)
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Keywords | ファレノプシス / 光合成 / 葉温 / 酸素放出 / ラン科植物 |
Research Abstract |
制御された一定の環境条件下でのファレノプシスの葉温は、気温に比較し明期は上昇し暗期は低下する。しかしその温度変化は微小で、昼夜温の変化は1℃以内である場合が多い。この温度変化は照明光源からの輻射熱と、気孔からの気化熱の出入りを反映したものと考えられる。昼夜の周期的な温度変化のほかに、明期後半の葉温が前半よりも低いことが観察された。これは、明期後半には気孔が開き水の蒸散によって葉温が低下するためと考えられ、本研究の目的の一つであった、葉温変化から光合成の様相を推定することが可能なことを示す現象である。また明条件下で潅水直後(高湿度条件)に葉温が高まること、潅水後時間の経過した低温度条件では葉温はあまり上昇しないことから、ファレノプシス葉では低温度下では気孔の開閉とは無関係に、葉からの水の蒸散(クチクラ蒸散)が起こっていることが示唆される。 光合成酸素測定装置によるファレノプシスの光合成特性の測定(切断葉)では、高炭酸ガス濃度下では常に高い水準の酸素放出が観察され、ファレノプシス葉はC3型光合成が活発に行ない得る状態にあると考えられる。しかし通常昼間には炭酸ガスの吸収は見られないが、これは気孔にょる制御が働いているためと考えられる。C3光合成の好適温度範囲は20-25℃であったが、夜間に蓄積した有機酸を利用した光合成(CAM)の場合は35℃までは温度上昇とともに酸素放出速度は上昇した。
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Research Products
(1 results)