1994 Fiscal Year Annual Research Report
セリ科野菜の葯・花粉培養による半数体育成と交雑種の道伝的固定促進への利用
Project/Area Number |
06660033
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 幸子 岡山大学, 農学部, 教授 (90026378)
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Keywords | 葯培養 / 花粉培養 / セリ科野菜 / 半数体 / カルス / ニンジン / 胚様体 / コロニー |
Research Abstract |
本研究では、葯培養及び花粉培養によってセリ科植物(ニンジン、ウイキョウ、セルリ-、パセリ、ミツバ)の半数体を作出するための培養条件を検討した。各植物体は1992、1993年の秋にビニールハウスに播種し、越冬後の5〜7月に開花した株から条件にあった令の花粉を含む蕾を採取し、培養に用いた。 葯培養:B5,1/2MS,MSの3種類の基本培地に2,4-D,BA,ショ糖、ゲルライトを種々の濃度で添加した培地で1〜2か月間培養した。胚様体が直接形成されたのはニンジンだけで、しかも四分子期の花粉からのみであった。一方カルスは、全部の種で形成され、ニンジン、ウイキョウ、セルリは四分子期の花粉からのみ、パセリ、ミツバは一核期の花粉からのみ形成された。ホルモン無添加のMS培地上で培養を続けることにより、胚様体は植物体に生長し、カルスは植物体を再分化した。 花粉培養:花粉はB5,NLN,1/2MSの基本培地に2,4-D,BA,ショ糖を添加した培地に、花粉が2.5×10^3/mlの、密度になるように植え付け、暗黒下で培養した。ニンジンは5か月後コロニーを形成した。セルリ-、パセリ、ミツバは3か月後に球状胚およびカルスがを形成した。ニンジンのコロニーは、ショ糖5%、ゲルライト1%、2,4-D、BAを添加した1/2MS培地で培養すると、4〜5か月後に球状胚やカルスを形成した。しかしどの種でも、胚やカルスの形成率が非常に低く、植物体再生には至らなかった。
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[Publications] S.Matsubara,N.Dohya K.Murakami: "Callus formation and regeneration of adventitious embryos from carrot,fennel and mitsuba microspores by anther and pollen cultures" Acta Horticulturas. (1995)