1995 Fiscal Year Annual Research Report
セリ科野菜の葯・花粉培養による半数体育成と、交雑種の遺伝的固定促進への利用
Project/Area Number |
06660033
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 幸子 岡山大学, 農学部, 教授 (90026378)
|
Keywords | 葯培養 / 花粉培養 / 半数体 / セリ科野菜 / ニンジン / セルリ / パセリ / 胚様体 |
Research Abstract |
セルリ-及びパセリの葯・花粉培養によるカルスおよび胚様体形成 葯培養:セルリ-のコ-ネル619とコ-ネル19、及びパセリのモスカ-ルドを供試し、越冬後5〜7月の開花株から、種々の令の花粉を含む葯を採取し、殺菌後種々の培地に植え付けた。B5、1/2MSにショ糖3%、ゲルライト0.2%を添加した培地を基本培地とし、種々の濃度の2,4-DとBAを添加した培地に植え付けた。その結果、セルリのコ-ネル619とコ-ネル19では4分子期の花粉を含む葯から種々の培地で、1核期の花粉からはコ-ネル619のみB5培地上でカルスが形成した。NAAとBAを添加したそれぞれの基本培地にカルスを移植したところ、両品種でホルモン無添加の培地、またはコ-ネル19で幾つかの培地で胚様体が再分化した。これらは小植物体まで生長したが、順化が難しかった。パセリのモスカ-ルドでは1核期前期の花粉を含む葯からのみ、2,4-Dのみを添加した培地でカルスが形成し、このカルスをホルモン無添加の培地に移植することにより小植物体となったが、やはり順化は難しかった。 花粉培養:供試材料として、セルリ-はコ-ネル619、パセリはモスカ-ルドを用いた。葯を培地中で潰し、1核期前期または後期の花粉を集め、遠心分離で培地でよく洗浄し、2.5x10^3/ml培地の密度で液体培地に植え付け、1月間暗黒で培養した。B5,NLN,1/2MSに10%ショ糖を添加した液体培地とした。 コ-ネル619では1核期前期の花粉より、1か月後B5培地で6分裂まで、NLNで12分裂まで、1/2MSで10分裂までみられた。同培地を足してゆくと、3か月後にはB5と1/2MS培地で胚らしいものが観察された。パセリも同様な結果が得られた。
|
-
[Publications] S.Matsubara,N.Dohya,K.Murakami: "Callus formation and regeneration of adventitious embryos from carrot,fennel and mitsuba microspores by anther and pollen cultures" Acta Horticulturac. 392. 129-137 (1995)