1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660035
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
増田 拓朗 香川大学, 農学部, 教授 (80133164)
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Keywords | 緑化樹 / 光合成 / 炭素固定 / 固結土壌 / 乾燥 |
Research Abstract |
緑化樹の光合成活動を解明するため,ポット実験および現地調査を行った。 1.ポット実験 マテバシイの2年生ポット苗を土壌水分条件を変えて生育させ,土壌乾燥が光合成活動に及ぼす影響を調べた。実験は夏期と秋期の2回行った。 夏期,秋期ともに土壌水分張力が毛管連絡切断点(pF2.8)を超えると光合成速度,蒸散速度は急激な低下を示したが,土壌水分張力が永久シオレ点を超えてもすぐに枯れることはなかった。樹体内水分張力は土壌水分張力とパラレルな動きを示したが,樹体の貯水機能および蒸散抑制によって,樹体内水分張力が永久シオレ点に達するまでには時間的な遅れが生じていることが確認された。ただし,このタイムラグは秋期に比べると夏期は著しく短かった。 夏期には土壌水分が十分ある場合でも光合成速度の日中低下がみられ,葉温36℃以上で光合成活動が抑制されることが認められた。土壌の乾燥に伴ってこの境界温度は低下し,初期シオレ点付近では葉温32〜33℃で光合成速度の低下が認められた。 夏期の水利用効率(光合成量/蒸散量)は秋期に比べてかなり低く,夏期の乾燥がマテバシイの光合成活動に大きく影響していることが認められた。 2.現地調査 丸亀市蓬英海浜公園に植栽されているクスノキを対象に調査を行った。同公園は埋立造成地であるが非常に緻密な固結地盤であり,植栽木は生育不良であった。根系調査後,土壌改良を施したが今年度の調査ではその効果は確認できなかった。来年度引き続き調査を行い,土壌条件と地上部の生育の関係を明らかにしていきたい。
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