1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松尾 英輔 九州大学, 農学部, 教授 (90038232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 行生 九州大学, 農学部, 助手 (60253514)
宮島 郁夫 九州大学, 農学部, 助手 (20182024)
大久保 敬 九州大学, 農学部, 助教授 (80150506)
藤原 勝紀 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80091388)
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Keywords | 心身の健康 / 園芸活動 / 福祉 / 社会生活への適応 |
Research Abstract |
本年度は,主に園芸活動に親しんでいる人々の動機,福祉施設などで園芸活動が治療や訓練法の一つとして取り入れられている理由,さらに,どのような効果がみられるかを聞き取りとアンケート調査で探った。市民農園の利用にあたり,自作で新鮮かつ無農薬の野菜,花などの生産物を期待する人が多く,次いで,土に親しみながら自然にふれることや作業で汗をながす爽快さを味わって健康づくりを目指す人,生きものを教え,土に親しみながら感性を磨くなど,子どもの教育を考える人も多かった。しかし,周囲の人々とのつながりを期待する人は意外に少なかった。利用後の感想としては,健康によかったという人がもっとも多かった。 ところが、福祉施設などで園芸作業を取り上げる場合には,そのねらいがいくぶん異なってくる。まず多いのは収穫の楽しみや栽培の楽しみを味わわせたいで,いずれも90%近い。次いで,体力増進,社会生活への適応訓練,気分転換やストレス解消などがいずれも60%超えた。施設では,園芸作業にかかっている人々の様子を次のように分析している。収穫をたのしみにしている(86%),植物の生長をたのしみにしている(73%),明るくなった(68%),情緒が安定した(60%),体力がついた(60%)。 これらは,園芸活動が個人の創造的活動として熱中できる要因をもつとともに,家族その他周囲の人々とつながり(社会性)をもつきっかけになるという特性をフルに活用しながら,人間としての尊厳を保ちつつ自信をもたせ精神的成長を促そうという療法として,十分に機能を果たしていることを示すものといえる。
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