1995 Fiscal Year Annual Research Report
輸入農産物残留農薬のモノクロナール抗体を用いた測定法の開発
Project/Area Number |
06660052
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中田 昌伸 神戸大学, 農学部, 助教授 (40031190)
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Keywords | ELISA / モノクローナル抗体 / 残留農薬分析 |
Research Abstract |
前年度はカ-バメート系殺虫剤アルジカルブ及びメソミルに対するモノクロナール抗体を作製し、酵素免疫測定法に適用するための最適条件を確立した。この測定法を用いて環境中の試料並びに農産物試料について添加回収試験を行なったが、満足な結果が得られなかったので本年度は再度試験をした。その結果、メタノールで試料から抽出した抽出液を緩衝液で希釈した後、測定する方法が最も安定した結果が得られた。これらの試料中の残留農薬の測定が可能であると考えられる。アルジカルブと同様に残留農薬分析が要求されている酸化物であるアルジカルブスルホンに対する抗体の作製を試みたが、満足なモノクローナル抗体が得られなったので次年度に作製する予定である。一方、貯蔵中のジャガイモ発芽防止剤として海外で広く使用されている除草剤クロロプロファムの抗体を作製した結果、数種類の抗体が得られた。これらの中でクロロプロファムによる標準阻害曲線を求めたところ0.5〜10.0ppbの間で直線を示す抗体が得られた。また、メタノール存在中で安定した抗体-抗原反応が進み、土壌、ジャガイモからメタノールで抽出した抽出液を数十倍希釈することによって、試料中のクロロプロファムを測定できた。有機リン殺虫剤について多成分同時測定を目指して考慮した免疫原を用いた抗体を作製しているが、まだ抗体は得られていない。来年度も続けていく予定である。
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