1996 Fiscal Year Annual Research Report
CMVのRNA成分比率が感染タバコ組織内におけるウイルス増殖に及ぼす効果の解明
Project/Area Number |
06660058
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大木 理 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00128761)
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Keywords | キュウリ モザイク ウイルス / RNA / ウイルス増殖 |
Research Abstract |
キュウリモザイクウイルス(CMV)を接種したタバコ個体を用い、感染の初期過程における接種葉と上位葉におけるウイルスRNA(RNA)と外被タンパク質(CP)の検出量の推移とウイルスの増殖・移行との関係を改めて検討した。6〜8葉期のタバコ(Nicotiana tabacum cv.Xanthi)の下位葉にCMV-pepo(10μg/ml)を接種し、接種後7日までの接種葉と上位葉(直上位葉、次位葉、頂部葉)、それらの葉柄におけるRNAとCPの蓄積量を経時的に調べた。RNA検出にはジゴキシゲニン(DIG)で標識したCMVゲノム3'端共通配列に対するRNAプローブによるノーザン法を、CP検出にはウェスタン法を用いた。接種葉ではRNAは18時間後から、CPは2日後から検出された。また、RNAは接種葉葉柄では2日後から、次位葉とその葉柄では同じく2日後から、頂部葉では3日後から検出され、CPはそれぞれの部位でRNAより1〜2日遅れて検出された。しかしながら、直上位葉においては葉柄では3日後からRNAが、続いてCPが検出されたものの、葉柄以外からは調査期間中RNAもCPも検出されなかった。さらに、CMV接種3日後の直上位葉にCMVを追接種し、その2日後にノーザン法による検出を行ったところ、RNAの検出量はきわめて少なかった。なお、ゲノムRNAの組成はすべての部位で、初期にはRNA3がRNA1,2,4より多く、その後RNA1〜4がほぼ等量になった。しかし、接種葉から精製されるウイルス粒子内のRNA1〜4の組成についての顕著な変動は把握できなかった。
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