1995 Fiscal Year Annual Research Report
Fusarium oxysporum菌の寄生性分化の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
06660060
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
米山 勝美 明治大学, 農学部, 教授 (50110060)
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Keywords | Fusarium / ポリガラクツロナーゼ / 病原性 |
Research Abstract |
1。トマト萎ちょう病菌の直接遺伝子導入法の検討 植物病原菌であるFusarium oxysporum f. sp. cucumerinumに直接的に外来遺伝子を導入する方法を検討した。Fusarium菌の発芽胞子をNovozyme234によって処理した後、hygromycin B耐性遺伝子をもつプラスミドpHL1をエレクトロポレーションにより形質転換した。その結果、形質転換効率は低いものの、hygromycin B耐性の形質転換体を得ることに成功した。これら形質転換体をキュウリに接種試験したところ、野生株と同様に高い病原性を示す株が得られた。今後、これら薬剤耐性株をマーカーとして異宿主菌間で細胞融合を行う予定である。 2。トマト萎ちょう病菌の病原性因子の検索 トマト萎ちょう病菌F. oxysporum f. sp lycopersiciの変異原処理により得られた弱病原性変異株のアイソザイム分析を行った結果,変異株にはポリガラクツロナーゼのバンドが殆ど見られず、本菌が産生するPGが重要な病原性因子であると推定された。そこで、本酵素を精製した後,非変性条件でPAGEを行ったところ、単一のバンドを示したが,一方SDS-PAGEおよび等電点電気泳動では4つのアイソザイムのバンドを示した。また,いずれのアイソザイムにも糖鎖が結合していることが確認された。また、植物組織内の病原菌PGの分布を精製PG抗血清を用いて調べた結果,萎凋病感染組織内の維管束部においてのみPG反応が検出された。このことから,トマト植物の維管束壁部分がトマト萎凋病菌が産出するPGにより溶解されることが萎凋症状の一因であると考えられた。今後、これらPG遺伝子をクローニングすることを目指す。
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