1995 Fiscal Year Annual Research Report
宿主植物および根圏土壌中での根粒菌の増殖制御におけるポリアミンの機能
Project/Area Number |
06660082
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小沢 隆司 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20152481)
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Keywords | スペルミジン / 過酸化水素 / 窒素固定 / 根粒菌 / 外膜 / 増殖阻害 / 共生 / ダイズ |
Research Abstract |
1.根粒内でのポリアミンの機能を理解するために,硝酸による窒素固定活性の阻害におけるスペルミジン(Spd)の作用について検討し,次のような結果を得た. a)根粒バクテロイドの窒素固定活性がSpdそよびSpdの酸化分解によって生成するH_2O_2によって阻害されることを確かめた. b)硝酸を投与したダイズの根粒のSpd含量に変化はなかったが,H_2O_2含量は増加した.また同時に,Spdオキシダーゼ活性も増大した. c)H_2O_2消去系酵素の活性を調べたところ,根粒ではアスコルビン酸ペルオキシダーゼ活性が,バクテロイドではカタラーゼ活性がそれぞれ硝酸投与によって抑制された. これらの結果から,根粒の窒素固定活性の硝酸による阻害にはSpd分解産物のH_2O_2が関与していることが示唆された. 2.根粒のSpdオキシダーゼの局在性と発現時期を明らかにすることによって,根粒内でのSpdの酸化分解をさらに詳細に理解しようとした.そのため,本酵素タンパクの分離,精製を試みた.イオン交換,吸着,およびゲル濾過の各カラムクロマトグラフィーによって,根粒から比活性で370倍,SDS-PAGEで1本の活性バンドを得るところまで精製した.現在,本酵素に対する抗体の作成と,N-末端アミノ酸配列の決定を行っている.
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