1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい好熱性絶体共生細菌Symbiobacteriumの生育要求因子の解明
Project/Area Number |
06660091
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
別府 輝彦 日本大学, 農獣医学部, 教授 (80011873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀之内 末治 東京大学, 農学部, 教授 (80143410)
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Keywords | 絶体共生細菌 / Symbiobacterium |
Research Abstract |
Bacillus sp.strain Sの生産する、Symbiobacteriumの生育に絶対的に必要な共生生育因子の精製は、以下に記した方法で行った。Bacillus sp.strain Sによる共生生育因子の生産性は、本菌を単独で培養したときよりも、これら二種の微生物を混合状態で培養したときの方が約30倍高い。したがって、混合培養から得られるBacillus sp.strain Sより菌体破砕上清を調製し、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー、DEAE-カラムクロマトグラフィー、native-PAGEからの切り出しを行い、最終的にSDS-PAGE上で分子量60-70kDaのブロードなバンドが得られた。この蛋白質をエンドグリコシダーゼHで処理したところ、SDS-PAGE上で分子量67kDa付近の単一バンドとなった。また、本蛋白のレクチンへの結合性を調べたところ、WGAレクチンへの結合性が認められた。このことから、本蛋白質が原核生物では殆ど例のないN-グリコシド結合を有する糖蛋白質である可能性が示唆された。精製された蛋白質のN末端アミノ酸配列を試みたところ、N末が修飾されていることが判明した。そこで、精製標品を限定酵素分解し、内部アミノ酸配列の決定を行ったが、量的な問題から明確な結果は得られなかった。本蛋白は割合微量な濃度でその生育支持活性を発揮しており、上記の精製方法では最終精製品の量的な確保が困難であった。したがって現在のところ、ジャーファーメンターによる大量培養の条件検討及び精製方法の再検討を行っており、本蛋白質の精製とアミノ酸配列の決定を急ぎ、同蛋白質の遺伝子をクローン化するための条件を整備している最中である。
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