1994 Fiscal Year Annual Research Report
高温性バチルスのウレアーゼの成熟活性化機構の遺伝生化学的研究
Project/Area Number |
06660092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 真誠 東京大学, 農学部, 助手 (50183918)
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Keywords | ウレアーゼ / アクセサリー遺伝子 / アポ蛋白質 / ニッケル / 蛋白質複合体 |
Research Abstract |
高温性バチルス属TB-90のウレアーゼ遺伝子クラスターに存在する6個のアクセサリー遺伝子(ureE,ureF,ureG,ureD,ureH,ureI)の機能の解析を目指した。 1.アクセサリー遺伝子産物に対する抗体の作製 各アクセサリー遺伝子産物を大腸菌マルトース結合蛋白質との融合蛋白質として精製し、これを用いて抗体を作製した。ただし、UreHとUreIの融合蛋白質の生産量は微量であったため、抗体作製には至らなかった。 2.アクセサリー遺伝子産物の大腸菌菌体内での発現量と分布 TB-90株ウレアーゼ遺伝子クラスターを大腸菌に導入し、その菌体破砕液に対する上記抗体を用いた解析を行い、アクセサリー遺伝子産物を同定した。UreGとUreEはSDS-PAGEでもバンドが確認できるほど大量に産生されており、可溶性蛋白質であった。一方、UreDは抗体でのみ検出できる程度の産生量しかなく、可溶性蛋白質であるものの一部ウレアーゼ蛋白質と共に不溶性画分に分布することが示された。さらに、UreFは抗体を用いても検出できず、非常に産生量の少ないあるいは分解の速い蛋白質であると考えられる。なお、UreEは可溶性蛋白質として大量に産生された後なんらかの修飾を受ける可能性が示唆された。 3.UreDの機能 TB-90株ウレアーゼ遺伝子クラスターを導入した大腸菌菌体抽出液にニッケル添加するとウレアーゼに構造変化が生じた。そこで、ウレアーゼ成熟活性中間体と考えられる蛋白質を解析したところ、ウレアーゼ蛋白質とUreDとの複合体があることが明らかとなった。従って、UreDはウレアーゼアポ蛋白質にニッケルイオンが組み込まれ活性型に成熟化する段階でアポ蛋白質の安定化に寄与していると考えられる。
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