1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 寿美 名古屋大学, 農学部, 助手 (30089859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
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Keywords | 分裂酵母 / 環境応答 / 浸透圧応答 / 浸透圧感受性変異株 / グリセロール-3ホスフェートデヒドロゲナーゼ / グリセロールの蓄積 / 細胞内浸透圧の恒常性維持 |
Research Abstract |
研究計画に基づいて、本年度は分裂酵母より浸透圧感受性変異株を多数分離解析した。分離した変異株は野生株が生育可能な高浸透圧条件下(1Mソルビトールや0.8M食塩を含んだ培地)で生育することができず、浸透圧応答機構に欠損を生じたものと判断された。基本的な遺伝学的解析によりこれらの変異株は3種類の相補群に分類された。 得られた変異株の内、浸透圧感受性が極めて顕著なものを一株任意に選び、この変異を相補する遺伝子を多コピープラスミド上で作成したバンクを用いることにより検索した。その結果2つのクローンを取得することができた。これらのクローンを解析することにより、上記変異を相補する遺伝子を特定して塩基配列を決定した。決定された塩基配列から推定されたアミノ酸配列を解析したところ、両遺伝子ともにグリセロール-3ホスフェートデヒドロゲナーゼをコードしていることが示唆された。以前から、酵母においてはグリセロールが細胞内浸透圧の恒常性維持に関与していることが示唆されており、このことから考えても今回得られたクローンの重要性が理解できる。我々の結果は、分裂酵母が少なくとも2種類のグリセロール-3ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子を持っていることを示しており、この内どちらか一方は浸透圧応答に直接関与しているものと推定された。
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Research Products
(1 results)