1995 Fiscal Year Annual Research Report
部位突然変異法を用いたアンジオテンシンIIリセプターの情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
06660107
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森嶋 伊佐夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (30032296)
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Keywords | アンジオテンシンII / リセプター / 部位特異的突然変異法 / cDNA |
Research Abstract |
ラットアンジオテンシンIIリセプター(AT_<1A>)のリガンド結合領域の解明 リセプター立体構造からドッキングモデルを構築し、かつアンジオテンシンIIリセプターで保存されたアミノ酸配列を選び部位特異的突然変異を行った。この結果、第4トランスメンブレン領域のR167、第5トランスメンブレン領域のK199、第6トランスメンブレン領域のW253、F259、D263の各残基がアンジオテンシンIIの結合に関わることが明らかになった。これよりアンジオテンシンIIドッキングモデルが次のように決定した。アンジオテンシンIIのC末フェニルアラニンのカルボン酸はK199とW253の間で形成される強固なNH-π相互作用により水素結合に匹敵する極めて安定な結合を形成することがわかった。次にアンジオテンシンIIの6番目のヒスチジンのイミダゾール基はヒスタミンレセプターで報告されているような2つのアミノ酸の側鎖によるサンドイッチ型結合を形成するのではなくD263の側鎖のみがアンジオテンシンIIの結合に関わることが明らかとなった。また第4トランスメンブレン領域のR167はモデル上アンジオテンシンIIの4番目のチロシンと相互作用していると考えられるが、アラニン置換により非ペプチド性アンタゴニストの結合も大きく減少することからリセプターの立体構造形成との関わりも考えられる。 ラットアンジオテンシンIIリセプター(AT_<1A>)のGタンパク質結合領域の解明 AT_<1A>のC末欠失変異体を作成し、アンジオテンシンIIの特異的結合能を調べたところ野生型と同様であった。このうちK318に終止コドンを導入した変異体のGTP効果、IP_3の産生は野生型と同様であったが、K310に終止コドンを導入した変異体ではいずれの効果も認められなかった。このことよりラットアンジオテンシンIIリセプター細胞内C末テ-ル領域のK310からL317の間の残基がG-タンパク質と結合していると考えられる。この領域の詳細な欠失変異体を作成し、どの残基がG-タンパク質と結合しているかを決定することが可能である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshiaki Yamano: "Mutagenesis and the molecular modeling of the rat angiotensin II receptor (AT_1)." J.Biol.Chem.270. 14024-14030 (1995)
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[Publications] Kenji Ohyama: "Disulfide bridges in extracellular domains of angiotensin II receptor type I-A." Regulatory peptides. 57. 141-147 (1995)
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[Publications] Satoshi Mikawa: "Dynamic aspects in the expression of the goat insulin-like growth factor-I (IGF-I) gene : diversity in transcription and post-transcripotion." Biosci.Biotech.Biochem.59. 87-92 (1995)
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[Publications] Satoshi Mikawa: "Tissue- and development-specific expression of goat insulin-like growth factor-I (IGF-I) mRNAs." Biosci.Biotech.Biochem.59. 759-761 (1995)