1995 Fiscal Year Annual Research Report
キノコ由来の4-アミノ安息香酸ヒドロキシラーゼの遺伝子のクローニングと構造
Project/Area Number |
06660114
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 英明 徳島大学, 医学部, 助教授 (20093875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 真順美 徳島大学, 医学部, 助手 (40108866)
岡 達三 徳島大学, 医学部, 助教授 (50116795)
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Keywords | 4-aminobenzoate hydroxylase / cDNA / FAD-binding domain / monooxygenase |
Research Abstract |
4-アミノ安息香酸ヒドロキシラーゼ(EC 1.14,13.27)は通称マッシュルームとして愛好されているAgaricus bsiporusにおいて見い出されたFAD依存性のモノオキシゲナーゼである。私達は、既に本酵素に対するモノクローナル抗体を作製し、このうち、3種は本酵素及び他のフラビン酵素、サリチル酸ヒドロキシラーゼ及びD-アミノ酸オキシダーゼのFAD結合ドメインを認識することを示した。本研究では、これら抗体のエピトープの位置を特定する目的で、本酵素に対するcDNAのクローニング及びその核酸配列を決定した。 Poly (A) +RNAよりPCR法を用いて、本酵素の一部のアミノ酸配列をコードする613-bpのDNA断片を作製し、これをプローブとして以下の実験に用いた。本酵素に対するmRNAのサイズはNorthern blottingにより約1700baseであった。次いで、Poly (A) +RNAよりAmershamのcDNA合成キットでdscDNAを合成し、λgt10クローニングキットを用いてそのcDNAライブラリーを作製した。100万クローンよりプラークハイブリダイゼーションにより4個の陽性クローンのクローニングに成功した。このうち、その挿入断片の最も長いクローンをpUC19プラスミドにサブクローニングし、このプラスミドの挿入cDNAの核酸配列をdideoxy termination法により決定した。その結果、本cDNAのサイズは1517bpであり、それは5´側非翻訳領域(14bp)、本酵素の460個のアミノ酸配列をコードするopen reading frame(1380bp)、3´側非翻訳領域(103bp)及びpoly Aテ-ル(20bp)から構成されていた。また、推定されたアミノ酸配列中に既に本酵素より単離された13個のペプチドのアミノ酸配列をすべて含んでいた。これらの事実は得られたcDNAは本酵素の全長をコードするものであることを示している。更に、ホモロジー検索により、本酵素の3ヵ所に、他のフラビン酵素と高い相同性を示す領域が存在することが明らかになった。現在、そのcDNAの大量発現系の構築を行っているところである。
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