1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野本 信也 筑波大学, 化学系, 講師 (30133028)
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Keywords | 燃焼炎 / ラジカル反応 / 二量化反応 / 不飽和化合物 / ラジカルスカベンジャー |
Research Abstract |
不飽和化合物の二量化反応については、約10種類のアミン、カルボン酸、アミノ酸を出発原料として反応を行い25-35%の単離収率でそれぞれ対応する二量体を得た。この研究過程で、従来の反応容器(容量250ml)では原料が10-40g必要であったが、高価な原料を用いる場合のために新たに冷却効率の良い小型反応容器(容量100ml)を製作して使用した。 クロトン酸を用いた反応では、予想された3種の生成物のうちジエチルコハク酸が優位に生じたので、反応過程において水素ラジカルが二重結合に付加する場合、より安定な炭素ラジカルが生成するような位置に付加が起こることが裏付けられた。このタイプの反応は、クロチルアミンと3-フェニルアリルアミンを使用して、反応機構のより確実な確認の為に現在進行中である。 水溶性不飽和化合物の二量化反応への本法の適用範囲という観点から見て、本年度の研究は当初の目的を十分達成したと言える。 新たに発生した問題点として、不飽和アルコールを用いた場合の水酸基の酸化、アクリル酸を用いた時の原料の重合の二点が揚げられる。前者はラジカルスカベンジャーとして添加しているギ酸の濃度を上げることで対処し、後者は今後、重合反応としても発展させたい。 なお必要に応じて小規模反応容器を製作したが、今後従来の容器より大量の原料を処理できる大型容器の開発も行いたい。
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