1994 Fiscal Year Annual Research Report
レタス種子におけるジベレリン誘導性遺伝子のクローニングと機能の解析
Project/Area Number |
06660130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 久和 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (80090520)
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Keywords | Lactuia satica L. / cDNA cloning / ジベレリン / アルコールデヒドトゲナーゼ |
Research Abstract |
レタス(Lactuca sativa L.cv.Grand Rapids)種子の光発芽はフイトクロム発見の端緒となった現象としてよく知られている。我々はすでにGrand Rapids種子の赤色光照射による発芽誘導が、発芽を促進する内生の活性型シベレリン(GA)であるGA_1の増加を介して起こることを明らかにしているので、本研究においては、Grand Rapids種子発芽誘導のシグナル伝達に関わる遺伝子を単離し、それらの機能を解析することを目的とした。GA処理したGrand Rapids種子から得られたcDNAライブラリーを用いたディファレンシャルスクリーニングにより、二つのGA誘導性cDNAクローンを単離した。そのうちの一つであるcLRG5のインサートは、1,313bpの塩基対からなるが、アミノ酸380残基からなるタンパク質をコードしており、ホモロジー検索の結果、他の数種の植物のアルコールデヒドロゲナーゼと高い相同性を有する遺伝子であることが示された。また、もう一種のクローンcLRG11のインサートは、611bpの塩基対からなり、アミノ酸95残基からなるタンパク質をコードしていると推定された。このアミノ酸配列についてホモロジー検索を行ったところ、ホモロジーの高いものはなく、またペプチド構造につていも特徴的なものはみられなかった。ノーザン解析の結果、cLRG5、cLRG11のmRNA量はいずれもGrand Rapids種子の内生GA_1の増加ときわめてよく対応していることから、発芽誘導のシグナル伝達に関連した遺伝子と考えられる。
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