1995 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の気菌糸形成阻害物質の単離・構造決定と気菌糸の分化誘導機構
Project/Area Number |
06660131
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
夏目 雅裕 東京農工大学, 農学部, 助手 (10201683)
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Keywords | Streptomyces / 放線菌 / 形態分化 / 気菌糸形成阻害物質 |
Research Abstract |
1.Streptomyces albonigerの生産する気菌糸形成阻害物質の単離・構造決定 昨年度培養条件を確立した本菌の気菌糸形成阻害物質の精製を進めた。S.albonigerをBennet's液体培地で培養し、培養濾液の酢酸エチル可溶酸性画分を得た。抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、シリカゲル分取TLCで精製し、次いで、ODS-HPLCで分析したところ、2本の大きなUVピークを与えた。そこで、このUVピークの前後で分画して活性を測定した結果、後ろのピーク画分が気菌糸形成阻害活性を示したが、その活性は分画前より明らかに弱くなった。本物質は、UV,^1H-NMRおよび^<13>C-NMRスペクトルとメチル化物のGC-MSスペクトルの解析の結果からフェニル酢酸と同定した。ODS-HPLCによる精製の前後で活性が変化したことから、フェニル酢酸以外の画分をフェニル酢酸と同時に与えて活性を測定した結果、前のUVピーク画分をフェニル酢酸と同時に与えると、HPLCで分画する前と同様の活性を示すことを見いだした。この協力物質は機器分析の結果、p-ヒドロキシベンズアルデヒドと同定された。p-ヒドロキシベンズアルデヒドはフェニル酢酸の気菌糸形成阻害活性の活性円の大きさには影響をおよぼさないが、活性円内の気菌糸形成を完全に制御する作用を示した。 2.Carbazomycinalの再単離 我々が先にStreptoverticillium sp.から単離した気菌糸形成阻害物質carbazomycinalを、気菌糸形成機構解明の実験に用いるために再単離した。本菌をcarbazomycinal類縁物質carbazomycinの生産培地で培養することにより、生産量を従来の培養条件での56倍に高めることができた。
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