1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660154
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青山 頼孝 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023432)
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Keywords | シスチン / 高コレステロール血症 / HMG-CoA還元酵素 / 血清リポタンパク質 / LDLレセプター / HMG-CoA還元酵素mRNA / ^<125>I-LDL |
Research Abstract |
シスチン過剰食をラットに与えると、3-7日後に血清コレステロールが上昇する現象を解明するために、昨年度肝コレステロール合成酵素(HMG-CoA還元酵素)、肝コレステロール合成酵素mRNAを測定した。その結果、 1.血清VLDL、LDLのコレステロール含量はシスチン過剰食の摂取により増加した。 2.肝HMG-CoA還元酵素活性は3日目に増加した。 3.肝HMG-CoA還元酵素mRNAは2、3日目に1.6-1.8倍に増加した。 本年度は肝LDLレセプターの測定、^<125>I-LDLをラットの静脈に注射した後経時的に肝への取り込みを測定した。その結果、次のことが明かとなった。 1.肝LDL mRNAはシスチン過剰食ラットにおいて増加した。 2.静注した^<125>I-LDLの消失速度は見かけ上変化ないが、血清中のLDLはシスチン群で高いので、実際にはシスチン群は血清からより速く処理されていることが明かとなった。 以上の結果、シスチン摂取の後、最初にHMG-CoA還元酵素mRNAが増加する。ついで、この酵素活性が増加する。したがって、肝においてコレステロール合成が促進される。一方、血清LDL-コレステロールの消失はシスチン食群においてむしろ増加した。これらの結果を総合的にみると、血清からのコレステロール消失が増加するが、それ以上に肝においてコレステロール合成が促進していることが高コレステロール血症を形成する機構が初めて示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 青山頼孝: "大豆たん白質へのシスチン添加による血清リポたん白質代謝の変動" 大豆たん白質研究会会誌. 14. 60-64 (1993)
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[Publications] 青山頼孝: "シスチンによる肝脂質の蓄積" 必須アミノ酸研究. No.139. 6-8 (1994)
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[Publications] 青山頼孝: "大豆たん白質へのシスチン添加による血清脂質、リポたん白質代謝変動" 大豆たん白質研究会会誌. 15. 81-84 (1994)
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[Publications] 青山頼孝: "Effects of some potassium compounds on liver lipid accumulation induced by excess dietary lysine." Comparative Biochemistry and Physiology. 107A. 227-231 (1994)
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[Publications] 青山頼孝: "シスチン食摂取による高コレステロール血症" 必須アミノ酸研究. No.142. 31-36 (1995)
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[Publications] 青山頼孝: "Dietry excess histidine accumulates lipids in rat liver" Comparative Biochemistry and Physiology. 112A. 503-509 (1995)