1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660155
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山田 哲也 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90023457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺西 克倫 三重大学, 生物資源学部, 助手 (20237001)
久松 眞 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30107099)
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Keywords | 澱粉 / イソアミラーゼ / ボールミル処理 |
Research Abstract |
当初の申請書に記載したように本研究の特色は、目的の簡明さにも抱らず、その研究方法を全てに亘り全く新たに開発する必要があることにある。即ち、化学的又は生化学的分析法は基本的には対象を均一系として捕らえ、これの組成の解明であるのに対し、本研究は対象を不均一系と認識し、この不均一性とさらにはその構造体としての澱粉を明かにすることにある。現在我々は2方法によりこの目的遂行に努めている。 第1はボールミル処理と選択的アミロース抽出である。澱粉はMeuserによりボールミル処理でプラスチックス化することが認められたが、我々の本研究により、衝撃エネルギーが結晶領域の融解を引き起こすことがこの原因で、化学的に見た分子構造レベルでの変化は極めて小さいことを明かにした。この結果溶媒系の調整により容易に澱粉粒の膨潤化度の制御が可能であることを明らかにしたので、次のステップとしては各種物理的化学的条件を変えることでアミロペクチンの構造を残したままで選択的にアミロースを抽出し、この空洞に適当な充填剤となる化学的物質を封入する予定である。 第2は磁性化担体の開発とこれにプルラナーゼ又はイソアミラーゼを結合させ、澱粉粒の外部からの構造削りだしである。酵素は遊離の場合と固定化した場合で作用機作には変化はなくても作用範囲が大きく異なる筈である。基質が低分子に於いてはこのことは問題とならないが、極めて高分子の澱粉ではこの結果、表層領域から特異的に作用を受けることになり、この生成物を解析することで順次澱粉の立体構造が明らかになるはずである。又磁性化により極めて容易に基質と酵素を分離できることで、この酵素作用を動的に追求できる。現在既に磁性化担体結合イソアミラーゼの調整に成功し、モチ澱粉を用いて予備実験の段階にあり、甚だ興味ある結果を得ている。
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