1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660157
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北畠 直文 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (30135610)
|
Keywords | 甘味タンパク質 / 甘味 |
Research Abstract |
甘味は基本味の一つであり、おいしさ、栄養の原点である。古くから蔗糖を始めとする様々な甘味物質についての研究があり、甘味活性と構造相関についての報告も多い。しかし甘味受容は特異性が低いこと(甘味物質が多岐に渡る)、甘味の閾値が高いこと(例えば蔗糖の閾値は約20mM)などのため、甘味物質の甘味活性と構造の関係や甘味物質の受容機構にについてはいまだに不明な点が多い。本研究では数多くの甘味物質の中で、もっとも甘味が強いとされる甘味タンパク質ソーマチン(砂糖の10万倍の甘さ)について、その甘味活性部位の同定を行い、甘味活性との関係、ならびに甘味受容との関係を明らかにすることを目的し、研究を進めている。研究を行うに辺り、まず食品素材用ソーマチン粗精製品(食品添加物として市販)からのソーマチン分子の単離大量精製を行い、安定性などの基本的性質、および官能テストによる甘味の特性について検討を進めた。続いて、甘味活性部位を決定するため、化学修飾法を用いて検討を進め、特異的なアミノ酸残基(アルギニン残基)が活性発現に必須であること、そしていくつかの他のアミノ酸残基(リジン残基)が活性発現に深く関与していることを確認した。すなわちシクロヘキサンジオンを用いてアルギニン残基を特異的に修飾し、その修飾の程度を電気泳動で確認し、活性の変化を調べた。リジンについてはピリドキサール等を用いて、修飾を行った。これらのアミノ酸残基の一次構造上の位置、ならびに立体構造上の配置を現在決定中である。
|