1995 Fiscal Year Annual Research Report
食餌中脂肪レベルの食塩嗜好に及ぼす影響ならびに脂肪に対する嗜好性のメカニズム
Project/Area Number |
06660164
|
Research Institution | SHOWA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 修一 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (70005586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理佳子 昭和女子大学, 生活科学部, 助手 (00245911)
中津川 研一 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (70155761)
|
Keywords | 食塩嗜好 / 食餌中タンパク質レベル / 食餌中脂肪レベル / 脂肪の嗜好性 / 栄養条件と食塩嗜好 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
われわれはこれまでの研究で、食塩に対する嗜好が、遺伝的要因ならびに栄養条件・・とくに食餌中タンパク質レベル・・に影響されることを明らかにしてきた。そして、昨年度すなわち、採択された本研究課題により、初年度の成果として、食餌中脂肪レベルがこれに影響し、低タンパク質食の場合には、食餌中脂肪中レベルの高い方が、食塩嗜好が低く、食塩摂取量も低下することを報告した。そこで今回、(1)脂肪をとくに好む系統として知られているオズボーン・メンデルラットを用いて、脂肪嗜好についてこれを確かめ、そのメカニズムを検討することにした。また、(2)脂肪にたいする嗜好を抑制する因子についてさまざまな仮説がでているが、そのなかのErlasnson-Albertsson らの提出した仮説の検討を行うことにした。また、この実験の過程で、(3)ビタミンの欠乏によっても、食塩嗜好が修飾されることを見いだしたので、これについても検討した。その結果、(1)脂肪をとくに好む系統として知られているオズボーン・メンデルラットをやっと手にいれたが、「特に強い脂肪嗜好」を示さないというトラブルがあり、現在ブリーダーを介して、外国から取り寄せており、いっぽう、われわれこれを選抜する作業をすすめている段階で、この実験結果はまだでていない。(2)コリパーゼ分解物から誘導され、これが脂肪に対する嗜好を抑制すると報告されているエンテロスタチンといわれるペプチドがわれわれの共同研究者によって合成された。これが脳内のどこに働くかについての検討するため、マイクロダイアリシスの装置を組立てて、ラットの視床下部部位に注入実験を開始した。近い将来、成果をえることができると考えている。(3)ビタミン欠乏によって、食塩嗜好が高まることを見いだした。ビオチン単独欠乏のばあいにも観察されるので、現在さらにその検討を続けており、また改めて報告したい。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] KIMURA S. et al.: "Nutritional studies of the noles of dietary protein levels and fat levels in the preference to NaCl for nats." 9th World Congress of Food Science and Technology July 30-Aug 4 1995. Budapest. ABSTRACTS II. 143 (1955)
-
[Publications] 木村修一 他: "食塩嗜好に及ぼす食餌中脂肪レベルの影響に関する実験的研究" 日本栄養・食糧学会. (1955)
-
[Publications] 揚素郷 他: "アルコールの味覚神経応答に及ぼす食餌タンパク質レベルとアミノ酸の影響" 必須アミノ酸研究. 143. 26-34 (1955)
-
[Publications] KOMAI, M., et al: "The Effect of topical treatment with a carbonic anhydrase inhibitor, MK-927 on the response of the choda tympani Nerve to carbonated water." Olfaction and Taste XI (Springer-Verlag). 92 (1954)