1995 Fiscal Year Annual Research Report
カロチン系色素,特にアスタキサンチンの微生物生産と生理作用
Project/Area Number |
06660167
|
Research Institution | FUKUYAMA,University |
Principal Investigator |
福井 作蔵 福山大学, 工学部, 教授 (60013299)
|
Keywords | アスタキサチン / 彩色酵母 / 活性酸素抵抗 / カロチノイド / アルミニウム・イオン抵抗 |
Research Abstract |
1.本年度も新しい彩色酵母の分離を行い、主分離源を花とし、258試料から102株が単離出来た。分離菌株のコロニーの色は、黄〜ピーク(赤)で、それぞれから色素を抽出し、(1)吸収スペクトルの測定、(2)薄層クロマト分析、(3)高速液体クロマト分析、を行い、標準試料のデータと比較した。色素を構成するカロチノイドは、何れの株も複数分子種からなり、アスタキサンチンのみからなる色素を産生する株は見当らなかった。高速液体クロマト分析で得られる色素溶出パターンは、ほぼ次の4つにの型に整理される。(1)親水性の高いピークを主とする群、(2)疎水性の高いピークを主とする群、(3)(1)と(2)の混合タイプの群、(4)中くらいの流水性(親水性)のピークを主とする群、の4つである。アスタキサンチンを主とする色素産生株は取得出来なかった。多量色素株の色素含量は約1〜3mg/g乾燥菌であった。 2.EMS処理により、色素生産量、構成色素パターン、コロニー色、などに特色(顕著な変化)を示す変異株の育成を行なった。ピンクから淡灰白に変化した株のカロチノイドは、上記(4)タイプから(2)に近いタイプに変化していた。アスタキサンチンなど、抗酸化性の強いカロチノイドは一般に親水型カロチノイドに属し、カロチン代謝系の下流中間体と考えられている。変異株では上流中間体(流水型)の蓄積型((2)タイプ)となったものと想像される。 3.抗酸化性をアルミウニム・イオン耐性(resistant to oxygen radicals)として測定可能かどうか試験した。カロチノイドを殆ど作らない酵母菌(例 Sacchatomyces cerevisiae)は耐性が弱く、カロチンを多量含む酵母菌は一般に耐性が強い。なお、上記変異株は、カロチノイド総量としては親株と大差なく、アルミニウム・イオン耐性もほぼ同じであった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 福井作蔵: "最近における酵母との交際" Technical Rep. Japan Yeast Ind. Assoe.63. 61-66 (1993)
-
[Publications] 福井作蔵: "Secretive procluction of long-chain fatty acids, triacylglycerol and n-alkane-2-ones by fermentation" 油化学. 44. 835-842 (1995)
-
[Publications] 山田憲栄他: "特殊カロテノイド生産酵母の検索" イ-ストワークショップ. 13. 38 (1995)