1996 Fiscal Year Annual Research Report
高度産業社会における森林管理および林業の担い手に関する実証的研究
Project/Area Number |
06660185
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村嶌 由直 京都大学, 農学研究科, 教授 (20012073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 伊久雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (00252495)
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Keywords | 森林管理 / 林業の担い手 / 森林組合 / 流域管理システム / 第三セクター / 林業公社 / 林家 |
Research Abstract |
1990年世界農林業センサスは林業離れの実態を全体的に明らかにしたが,その中で地域的に新たな発展の動きも見られた。本研究は,90年代の全体像を地域的に解明するとともに,地域的にあるいは経営体として確立している“地域林業"および林家・法人に焦点をあて,その成立基盤を解明した。高度産業社会においては都市への人口流出,不在村所有・サラリーマン林家の増加,こうした状況は零細所有者の森林管理を困難にしている。一方では,森林のもつ多機能の発揮のために森林管理が緊急に対処されなければならない課題になっている。木材生産局面からみると,戦後造林が利活用段階に入った南九州(宮崎・熊本など)およびまだその段階への移行過程にある東北(宮城・岩手など)の林業に地域区分が可能であるが,林業発展へのベクトルがみられるのは一つのまとまりをもつ地域単位を基礎とした場合であり,そこに上層組合員に支持された森林組合が果たしている役割が極めて大きい。加えて地方自治体による側面的な支えによって前進を確実にしている。しかし,林業経営が成立する地域は限定的で,試算される林業の内部収益率の低さから言えば全地域的である。60年代半ばから70年代にかけて公的造林が森林造成に,あるいは地域振興に大きく寄与したが,21世紀を迎える今日,放棄された森林管理を公的に進める手だては見い出し難い。一部で模索されているのが,下流の「水」の受益者・市町村が上流域の森林整備のために財政的に支援するものであり,「流域」を単位とした森林管理の道である。
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[Publications] 村嶌由直: "国際的競争激化の下での新王子・本州製紙大合併" 経済. No.90. 12-13 (1996)
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[Publications] 村嶌由直: "震災1年の木材需要の推移" 木材情報. 63号. 6-9 (1996)
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[Publications] 村嶌由直: "最近の木材流通の変化と今後" 村経協日報. 424. 10-20 (1997)
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[Publications] OTA,I.& MURASHIMA,Y.: "Domestic Log Marketing in Japan" Small-Scale Forestry (Mitteilungen der Forstlichen Versuchsund Forshungsanstalt Baden-Wurttemberg. 195. 171-179 (1996)