1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660193
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041051)
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Keywords | 土木流災害 / 風倒木 / 危険度予測 / もめ土層 / 土壌硬度 / 透水係数 / 台風 / 集中豪雨 |
Research Abstract |
本年度は風倒木の地形的、気象的特性について分析、検討し、さらに風倒木斜面における土層構造の破壊に着目し、その物理的特性の追究を試みた。 まず地形的特性について調査したところ、発生数と標高の関係については、一般に台風の場合、山間部では低平地より山頂部の方が風は強いといわれていながら、実際には南郷村では、風倒木の発生頻度が最も高くなるのは、標高310m〜400mの比較的低標高の範囲にあることがわかった。したがって要因的にみた場合、土木流災害発生の潜在的危険度はこの範囲の斜面が最も高いと思われる。 つぎにこれを方向別にみたとき、谷部では東向き斜面、尾根部では北向き斜面に風倒木の発生が集中しており、地勢方向と強風時の風向きが一致した場合に、風倒木災害が発生する傾向がみられるようである。さらに谷、尾根の両部の風倒木発生数については、谷部の方が尾根部より約10%高くなるようである。このことから台風時には最大瞬間風速は必ずしも尾根部ではなく、むしろ低標高の谷部で発生する可能性の高いことが知られる。 さらに土層の攪乱程度からみた場合、風倒木斜面は正常斜面に比べて土壌硬度が著しく低下し、透水係数も正常斜面に比べて大きくなっており、地表面から水が浸透し易くなっている。またもめの深度は土壌硬度、透水係数の測定から、地表面より約55cm〜60cmの深さであることが明らかになった。これより下層では正常斜面とほとんど同値である。これから風倒木斜面では、特に表層崩壊の起こる潜在的危険性がかなり高くなっており、今後集中豪雨時には注意が必要であることが明らかになった。
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