1994 Fiscal Year Annual Research Report
原生林に対する攪乱の歴史とその影響に関する花粉分析学的研究
Project/Area Number |
06660196
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
高原 光 京都府立大学, 農学部, 助手 (30216775)
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Keywords | 原生林 / 森林動態 / 攪乱 / 花粉分析 / ブナ林 / 亜高山帯針葉樹林 / 大台ケ原 / 芦生 |
Research Abstract |
1.堆積物の採取と分析 (1)京都府北桑田群美山町 芦生原生林(京都大学演習林)の以下の4地点で堆積物を採取した。 (1)クツベ谷下 325cm(採取した堆積物の層厚) (2)桝上谷下 30cm (3)子中山 66cm (4)野田畑 310cm (2)奈良県吉野群上北山村 大谷ケ原原生林(吉野熊野国立公園)では,国立公園特別保護区(環自近畿許第72号の採取許可による)の以下の3地点で堆積物を採取した。 (1)正木ケ原 241cm(コア番号94-1),35cm(94-2),(2)牛石ケ原 35cm(94-3),(3)七つ池 30cm(94-4),40cm(94-5),30cm(94-6),35cm(94-7) 採取したこれらのコアはいずれも花粉分析に適したものであった。その内,芦生のクツベ谷下の堆積物と大台ケ原の正木ケ原の94-1,牛石ケ原の94-3および七つ池の94-5コアについて花粉分析を行った。その結果,大台ケ原では人為が加わる以前の森林を復元できるデータを得た。現在,さらに詳細な花粉の検鏡と炭素片の分析を実施しているところである。他のコアについても順次分析を継続中である。 2.大台ケ原七つ池周辺の植生調査 七つ池周辺には,平坦地にブナを中心とした森林が広がり,この林内に堆積物が散在している。ここで,来年度へ向けての予備調査として植生調査を行った。その結果は次のとおりである。高木層はブナが最も優勢で,ミズナラ,ウラジロモミ、ヒノキを伴っている。また,亜高木層には,ウラジロモミ,ハウチワカエデ,ヒノキなどが認められた。来年度,この林分において,約120m×150mのプロットを設定し,毎木調査を行う予定である。今年度の研究の結果,表層土壌中にも十分な花粉が含まれていることがわかったので表層土壌中の花粉構成と毎木調査結果を比較し,表層花粉と林分構成の関係を解明する。
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