1994 Fiscal Year Annual Research Report
扇状地および氾濫原における水動態と渓流地形に関する研究
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06660199
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Research Institution | Toyama Prefectual University Junior College |
Principal Investigator |
高橋 剛一郎 富山県立大学短期大学部, 農業技術学科, 講師 (40163258)
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Keywords | 地下水 / パイピング / 氾濫原 / 渓流地形 / 侵食 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は渓流地形の特性および動態と扇状地・氾濫原における地下水(浸透水)の関係を明確にすることであり,1994(平成6)年度の当初の目標は侵食地形の形成に地下水の挙動が影響している確証,もしくはより確実な状況証拠を得ること,地下水や表流水の水質調査を行い,地下水の由来を推定することであった.調査地は天塩川水系問寒別川支流ヌポロマポロ川である.この川の上流部に特異な形態の侵食地形(トレンチという)が形成されている.底面と周囲の氾濫原の面は2〜3mと深くうがたれており,一方は現在の流路と接しているが,反対側の端は氾濫原の中で谷頭の形状をなしている.微地形の観測から洪水流による谷頭侵食がこのトレンチ形成の原因でないことは明白である. 第一点目については,井戸の水位観測に加えて侵食地付近の流路の水位を測定するシステムを構築し,従来から設けてあった井戸の水位との応答関係を解析した.さらにこれらの水位変動を付近にある気象観測地点の雨量データと対照させた.その結果,河川の水位は降雨に対して非常に素早い応答を示すこと,トレンチ内部の井戸の水位変動は河川水位の変動に対して素早い応答性を示すが,トレンチの外部の谷頭部上部の井戸の水位の変動はトレンチ内部の井戸よりは穏やかな応答であることが明らかになった.第二点目については,トレンチ内部やその付近に設けた井戸および河川水から水を採取し,その水質を分析した. 結論としては,水位変動の応答性からトレンチ内部の地下水が河川水とのつながりが深く,洪水時にパイピングを起こす可能性をいだかせるものの,確実な証拠とはなっていない.水質についてはサンプル数が少なく,現段階ではこれをもって結論を求める段階にはない.
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