1994 Fiscal Year Annual Research Report
高度の縮合構造を有するリグニンの機能性物質への化学的変換に関する研究
Project/Area Number |
06660209
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 征市 名古屋大学, 農学部, 教授 (80002070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 貴規 名古屋大学, 農学部, 助手 (20252281)
福島 和彦 名古屋大学, 農学部, 助手 (80222256)
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Keywords | 縮合構造 / 硫酸リグニン / フェノール化反応 / ホルミル化反応 / スルホン化反応 |
Research Abstract |
縮合構造の多いリグニンとしては圧縮あて材リグニン、アルカリリンニン、酸リグニンなどが代表的であるが、本研究では最も高度の縮合構造を有する硫酸リグニン(SAL)を試料として選んだ。 SALは一般的な無機、有機溶剤に不溶であり、その主な理由は酸処理による高分子化と極性官能基の減少による。SALを均一な反応条件のもとで他の物質へ化学変換するためには、リグニンの活性化を伴った低分子化による可溶化が必要である。モデル化合物を用いた基礎研究からフェノール化が有望であると考えられた。事実、硫酸触媒によるSALのフェノール化により、有機溶媒に可溶な物質(フェノール化SAL)に変換可能であった。 現在、リグニンケミカルスとして最も利用されている物質は、分散性や粘結性に優れた性質をもつリグノスルホン酸である。この物質はリグニン側鎖α位をスルホン化することにより製造されている。フェノール化SALは側鎖α位の水酸基がフェノールで置換されているために、スルホン化を行うためには反応生に富む官能基の新たに導入が必要である。本研究ではホルムアルデヒドによるヒドロキシメチル化を行った。次いで、中性サルファイト処理により定量的に可溶性リグノスルホン酸を得た。市販品との分子量分布やスルホン酸基量の比較から、ほぼ同程度の機能が期待される。また、フェノール化SALは接着剤や樹脂などのフェーノル原料としても利用可能であろう。 ヒドロキシメチル化およびスルホン化についての反応機構は、簡単なリグニンマデル化合物を用いて検討した。
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Research Products
(1 results)