1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660230
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
大森 信 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10013567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 晴人 東京水産大学, 水産学部, 助手 (30251680)
山川 紘 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80017061)
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Keywords | ミズクラゲ / ストロビレーション / 大発生 / ポリプ / エフィラ / 生態学 / 海分生物学 |
Research Abstract |
東京水産大学練習船“ひよどり"を用いて、東京湾湾奥部の船橋沖の海域にて6月11日にミズクラゲの採集を行い、プラヌラ幼生を雌個体(傘径23cm)から採収し実験に用いた。実験は恒温培養室で行った。まず22℃で1個体のプラヌラ幼生をシャーレに定着、ポリプに変態させ、十分な数が得られるまで給餌しながらポリプを増殖させた。この期間は140日であり、最終的にポリプ数は一つのシャーレ当たり、120〜150になった。その後、一部の個体は15℃で飼育し、それぞれストロビレーションを起こした個体数の割合、ストロビレーション開始までの期間、ストロビラの盤数を求めた。 その結果、ミズクラゲのポリプにおけるストロビレーションは、水温を低下させることによって誘発されることが判明した。すなわち、水温を22℃の条件下ではストロビレーションは観察されず、15℃に低下させたときにのみストロビレーションは強く誘発された。最初にストロビレーションが観察されたのは水温低下後20日目であり、実験終了時の65日目には82%の個体がストロビレーションを起こし、完全にエフィラ幼生が遊離した個体の割合は48%であった。また、ストロビラの盤数は平均で14であった。水温が15℃以下になるのは東京湾では12月頃であり、この水温低下が引き金となって冬期に数多くのエフィラが遊離し、春期には稚クラゲにまで生長することが推察された。
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[Publications] Omori,M.,H.Ishii and A.Fujinaga: "Life history strategy of Aurelia aurita (Cnidaria,Scyphomedusae)and their impact on the zooplankton^*" ^*community of Tokyo Bay. ICES Journal of Marine Science. (In press). (1995)