1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660230
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
大森 信 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10013567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 晴人 東京水産大学, 水産学部, 助手 (30251680)
山川 紘 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80017061)
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Keywords | ミズクラゲ / ポリプ / エフィラ / ストロビレーション / 富栄養化 / 大量発生 |
Research Abstract |
ミズクラゲの大発生を誘因する条件をフィールド調査とそれらのデータを基にした室内実験から総合的に検討した。フィールド調査では、研究期間を通じて周年の傘径分布とプラヌラ保有個体数の出現、各期幼生の採集、環境要因の測定を行った。 室内実験では、それらの結果から水温・給餌条件を組み合わせ、長期間の個体の観察からポリプの出芽・ストロビレーションの過程が明らかにされた。分析された項目はストロビレーションの開始サイズおよびポリプ個体あたりのストロビレーションの継続時間、一日当たりのストロビレーション数、遊離速度、個体あたりのエフィラの累積遊離数、ストロビレーションの最大盤数、および遊離エフィラのサイズ等である。 ポリプの成長とエフィラの遊離条件には、高水温と好適な給餌量が関係しており、水温低下時期のタイミングと餌の充足度がキ-ポイントとなっている。ポリプの出芽数は、水温低下時の給餌期間が長いほど多く、冬期から夏期にかけて着底したポリプは1月頃にエフィラを遊離させ、秋期に生まれたポリプは2-4月にエフィラを遊離させると思われる。 ミズクラゲの初期のポリプ期において高水温と高濃度の餌はポリプの成長と増殖を促進し、ストロビレーションは水温が15℃以下に低下することによって誘発され、水温低下後も餌が十分存在するときに大型のエフィラ幼生が多数遊離し、最終的にミズクラゲの大発生をもたらすものと思われた。
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[Publications] Omori,M.,H.Ishii and A.Fujinaga: "Life history strategy of Aurelia aurita(Cnidaria,Scyphomedusae)and their impact on the zooplankton^*" ICES Journal of Marine Science. 52. 597 (1994)
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[Publications] Ishii,H.,S.Tadokoro,H.Yamanaka^*: "Population dynamics of the jellyfish,Aurelia aurita in Tokyo Bay in 1993 with determination of ATP-related compounds." Plankton Society,Japan. 42. 171-176 (1995)
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[Publications] 大森 信: "人間活動がもたらす生態系の変動-Alternative foodweb shiftに関するPICES科学シンポジウムに関連して" 海洋科学. 28(2). 118-123 (1996)