1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660234
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小池 隆 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60093126)
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Keywords | イセエビ / 行動量 / 対光行動 / 自動計測 / 回周行動 |
Research Abstract |
イセエビの微少光に対する感知能力を行動学的方法で明らかし、これまで推測の域を出なかった夜間の海中における行動と視覚の役割を解明する目的で以下の研究を行った。得られた成果を報告する。 1.イセエビ(Panulilus japonocus)の光の量に対する閾値を行動学的に明らかにした。 イセエビは夜間(暗期)活動し昼間(明期)は休止する行動の周期性を示す。水槽内に吊した籠のなかにイセエビを放養し、パソコンにつないだ電子天秤で連続的に籠の重さの変動を記録するとイセエビの活動と休止の状態が自動的に計測できる。このシステムを暗室の中に設置して暗期の下方向照度0lχとし、明期の下方向照度を段階的に下げてイセエビの対光行動を観察した。イセエビ(頭胸長8.2cm、体重315g♂)は、明期の下方向照度が5.2×10^<-3>lχ以上あると休止状態になり6.8×10^<-8>lχ以下では0lχの場合と同様活発に活動して明暗に同調した行動の周期性が崩れた。イセエビの光の量に対する閾値は、6.8×10^<-8>〜5.2×10^<-3>lχの間にあることが明らかになった。 2.イセエビの行動を二次元的に追う装置を開発した。 上記実験で用いた装置で検出できるのは、軸方向のイセエビの動きのみである。指向性の強い光への反応や、照度勾配のある環境での行動等を調べるためには、イセエビの動きを二次元的に追う必要がある。そこで、イセエビをいれたカゴを支える3つの支点にかかる重さを同時測定してイセエビの位置を求め、それを連続的に記録する装置を考案した。位置決定の誤差は0.1〜0.9cmで、イセエビの体長・幅から考えて十分な精度が得られた。測定間隔を3秒とするとイセエビの暗期の活発な行動を追尾することができた。イセエビの対光行動を移動速度・移動距離・行動軌跡等の詳しい値を基に解析することが可能となった。
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Research Products
(1 results)