1994 Fiscal Year Annual Research Report
魚類生態調査における水中テレビロボット(ROV)の有効性に関する研究
Project/Area Number |
06660240
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山岡 耕作 高知大学, 農学部, 助教授 (20200587)
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Keywords | 水中テレビロボット / マダイ幼魚 / 密度調査 / 視野調査 |
Research Abstract |
魚類生態調査における水中テレビロボット(ROV)の有効性に関する研究の平成6年度における実績は3つに分けることができる.第1は高知大学海洋生物教育研究センター内の60t水槽を用いて陸上水槽実験(第1実験),第2は高知県水産試験場内の幼稚仔保育場でのマダイ幼魚放流実験(第2実験),第3は第2実験期間中にマダイ捕食者を放流し,マダイ密度変化を観察する実験(第3実験)である. 第1実験は60t水槽底に25cmのコドラートを作製し,水中でROV付属のビデオカメラで一定間隔で配置されたマダイ幼魚乾燥サンプルを撮影し,録画テープからROVの視野の広さを求めることを目的とした.ここで得られる視野のデータは第2・第3実験分析の際の基礎となるものである.第2実験は面積約2000m^2の高知県栽培漁業センター付属幼稚仔保育場に約2000個体のマダイ幼魚を放流し,実際の密度(1個体/1m^2)とROVのビデオ録画から得られる密度の値の比較検討を目的とした.幼稚仔保育場に設定した定点15箇所でROVを潜航させ録画をおこなった.録画はマダイ幼魚が活動中の夕方と休憩中の夜間の両方についておこなった.マダイ幼魚は再捕し(回収立89.6%)第3実験に用いた.第3実験は目的と方法において第2実験と同じであるが,定点数を9箇所に縮小したこと,実験期間途中から捕食者としてハモ15個体を放流したことなどに相違点がある.夕方は,マダイ幼魚が活動中でありROVのスラスターの巻き上げる砂煙に殺到するため,正確な密度が得られないので省略した.実験終了時にマダイ幼魚の79.9%、ハモ10個体,その他の魚介類が捕獲された.以上の実験データの解析を現在おこなっている.
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