1995 Fiscal Year Annual Research Report
餌料プランクトン「ワムシ」の休眠卵形成機構の解明と休眠卵量産技術への展開
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06660245
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
萩原 篤志 長崎大学, 水産学部, 助教授 (50208419)
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Keywords | 海産ツボワムシ類 / 休眠卵 / 餌料生物保存 / 両性生殖誘導 / 交尾現象 / 休眠卵量産 |
Research Abstract |
【目的】ワムシ休眠卵の大量生産を効率化するため、これまでに開発したバッチ培養(飼育水を交換せず、短期間で終了)による生産に対して、間引き培養方式(ワムシを収穫しながら飼育水を交換する、培養は長期)を導入し、その効果を検討した。 【方法】0.5m3容水槽6面を用い、濃縮後凍結したNannochloropsisを餌料として休眠卵形成に適した水温・塩分下で約20日間L型ワムシの培養を行った。水換えをしないバッチ培養を対照とし、2日に1回、および4日に1回それぞれ飼育水を交換した間引き培養との間で休眠卵形成の比較を行った。ワムシ個体群内の両性生殖誘導と休眠卵形成の頻度は、それぞれ、ワムシ密度が約150個体/mlおよび約250-300/mlで最大となるので、間引き後の密度を150/mlになるように調節した。培養が長期にわたると、懸濁態有機物が水中に蓄積し、ワムシの培養不良が起こりやすくなる。そこで次に、懸濁物除去用のフィルターマット(日本バイリーン社製)を水中に垂下し、休眠卵形成の安定化に対する効果を検討した。 【結果】単位給餌量当たりの休眠卵形成数は4日に1回水交換した間引き培養で最も多く(9万個/g(乾重))、バッチ培養時の2.5倍になった。しかし、間引き培養では、ワムシ増殖を阻害する細菌が多く出現し(水換えにともなう培養環境の急変に起因すると推察される)14日目以降にワムシの増殖不良が一部の水槽で起こった。水槽内にフィルターマットを設置することによって、安定的な培養が可能となり、設置しない場合に比べて休眠卵形成効率も1.3倍になった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hagiwara.A.et al.: "Morphology,reproduction and genetics of the tropical minute marine rotifer Brachionus plicatilis strains." Journal of Experimental Marine Biology and Ecology. 194. 25-37 (1995)
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[Publications] Hagiwara,A.et al.: "Mass production and prescryation of the curyhaline rotifer (Brachionus plicatilis and B.rotundiformis) resting eggs." Aquaculture(印刷中). (1996)
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[Publications] 萩原篤志: "海産ワムシの休眠卵量産" さいばい. 75. 27-30 (1995)