1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660249
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
西田 睦 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (90136896)
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Keywords | アユ / DNA標識 / ミトコンドリアDNA / 塩基配列 / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
1)本研究では、アユの資源遺伝学的解析に必要な強力な遺伝的標識を開発することを目的に、これまでの間接的な手法ではなく、DNAの塩基配列レベルを扱う直接的な手法を活用して研究を進めた。 2)解析対象には、遺伝的に組換えがなく、その素性がよく知られており、遺伝的変異が大きいため種内の遺伝標識を探るのに最適なミトコンドリアDNAを取り上げ、そのうちでもとくに変異性の高い調節領域の塩基配列を解析して遺伝標識を探索した。 3)新たに設計・作成したものを含むいくつかのプライマーの組み合せを用いることにより、PCR法によって調節領域全域が増幅できた。そのうちでも特に変異性が高いと推測される前半部分(チトクロームb遺伝子側)に焦点を絞り、塩基配列を決定する実験システムを確立した。 4)確立した実験システムを用いて、両側回遊型アユの東北地方太平洋側、日本海沿岸、九州南部から得た3集団約70個体、琵琶湖から得た約30個体、ならびに奄美大島のリュウキュウアユ集団約10個体のそれぞれについて、同領域の約300塩基の配列を決定した。 5)リュウキュウアユとそれ以外の基亜種との間には、完全に塩基が置換しているサイトが見出された。また、基亜種の中では、琵琶湖集団と両側回遊型集団間には、塩基が完全に置換しているサイトは見出されなかったが、頻出する塩基の頻度が大きく異なるサイトがいくつも認められた。このように、これらの塩基サイトは、各集団の遺伝的組成などを解析する上で有用なDNA標識となることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sawashi,Y.and M.Nishida: "Genetic differentiation in populations of the Ryukyu-ayu Plecoglossus altivelis ryukyuensis on Amami-oshima I'sland." Japanese Journal of Ichthyology. 41. 253-260 (1994)
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[Publications] Katoh,M.and M.Nishida: "Biochemical and egg size evolution of freshwater fishes in the Rhinogobius brunneus complex(Pisces,Gobiidae) in Okinawa,Japan." Biological Journal of Linnean Society. 51. 325-335 (1994)
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[Publications] 西田 睦: "河川陸封型種文化は特殊か?" 東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター報告. (19). 10-11 (1994)
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[Publications] Kumazawa,Y.and M.Nishida: "Variations in mitochondrial tRNA gene organization of reptiles as phylogenetic markers." Molecular Biology and Evolution. 12. 759-772 (1995)
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[Publications] 後藤 晃ら(編): "川と海を回遊する淡水魚-生活史と進化" 東海大学出版会, 279 (1994)
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[Publications] 池原貞雄ら(編): "琉球の清流" 沖縄出版, 229 (1994)