1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660257
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 勝子 東京大学, 農学部, 助手 (30092381)
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Keywords | 軟体動物 / 二枚貝 / 遊離アミノ酸 / D-アラニン / 蓄積機構 |
Research Abstract |
近年、微生物をはじめ、高等動植物に種々のD-アミノ酸が結合態や遊離の状態で存在することが示され、それらの詳細な分布や生理作用に関する研究が始められている。申請者も食用水産動物筋肉中の遊離D-アミノ酸の分布を調べ、D-アラニンが無脊椎動物の特定の動物群に蓄積されることを示した。本研究は、D-アラニンの由来と蓄積機構を解明する目的で行ったもので、以下の研究成果を得た。 1)L-およびD-アラニンのHPLCを用いる分析では、マ-フィ法、OPA法など種々の方法を検討したところ、OPA法が簡便さの点に優れ、しかも短時間に分析可能なことが明らかとなった。 2)海産種のハマグリを人工海水(16℃)で馴致した後、徐々に塩分濃度を上げ、1週間後に150%海水になるまで飼育した。経時的に5個体ずつ採取し、組織別にD-およびL-アラニンを分析した。100%海水ではD-アラニンは平殻筋29.4μmol/g(組織100g中に含まれるμmol、以下同様、鰓7.3μmol/g、中腸腺3.0μmol/gであったが、150%海水ではそれぞれ45.6μmol/g、15.1μmol/g、13.1μmol/gに増加した。一方、L-アラニンも同様の変化が認められた。D/D+Lは平殻筋では0.54から0.48に減少したが、鰓では0.34から0.45に、中腸腺では0.24から0.31に上昇した。 3)トレーサー実験を行う目的で、Chiralplateを用いたTLC法を検討したところ、L-およびD-アラニンの分離に成功した。さらに二枚貝類の飼育法の検討を行った。 4)^<14>CをラベルしたD-アラニンを投与するトレーサー実験を現在行っている。
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