1994 Fiscal Year Annual Research Report
都市近郊中山間地域における緑農資源の多面的利用に関する研究-インパーマネンス・シンドロームの発生メカニズムの解明とその克服-
Project/Area Number |
06660286
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀田 忠夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40036439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦出 俊和 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80244664)
桂 明宏 大阪府立大学, 農学部, 助手 (90233767)
宇佐美 好文 大阪府立大学, 農学部, 講師 (40081559)
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Keywords | 緑農資源 / インパーマネンス・シンドローム / 都市近郊中山間地域 / 農地の遊休化 / 耕作放棄 / 多面的利用 / アメリカ / インド |
Research Abstract |
1.堀田は、先行研究をもとに従来の中山間地域の概念整理を行った。ここでは、中山間地を一様に捉えるのではなく、従来の中山間地域である「限界地型中山間地域」と都市化の影響を受けている「都市近郊中山間地域」とに区分して、概念整理を行なった。この両者の相違点は、都市化による地域の社会的経済的条件の変化の仕方の差異であると特徴づけることができた。 2.桂は、従来の中山間地域すなわち「限界地型中山間地域」における農地の遊休化・荒廃化の実態を明らかにするために、香川県において実態調査および聞取り調査を実施した。限界地型中山間地域では、農業労働力の高齢化、土地条件の劣悪性を背景に農地の遊休化が進行している実態が明らかになった。 3.宇佐美・浦出は、都市近郊中山間地域の農地の遊休化の実態を明らかにするために、それぞれ奈良県、福井県において実態調査および聞取り調査を実施した。奈良県都祁村の4集落においては、農地の利用状況について一筆ごとの調査を行ない、その結果を地図上に描写することによって遊休化している農地の分布状況を明らかにした。そこでは明らかに土地条件の劣悪性が関与していることが分かった。また、集落カードのデータより、農家の世帯属性と農地の遊休化の間に何らかの関連性が存在することが確認できたが、その詳細な分析には至っておらず、要因の特定化は次年度の課題とした。さらに、既存の市町村別集落別統計データのクロスセクション分析からは、農地の遊休化の要因を明らかにすることが困難であり、時系列分析および集落の悉皆調査の必要性が確認された。
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