1995 Fiscal Year Annual Research Report
流れによる排水路系の沈積物と水偵悪化水の除去システムの開発
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06660293
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木ノ瀬 紘一 茨城大学, 農学部, 助教授 (80234326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中石 克也 茨城大学, 農学部, 助手 (40180236)
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Keywords | 排水路沈積物 / 自動ゲート / 急変不定流 / 掃砂効率 / 塑性粘度 / 塩濃度 / 河口澪筋維持 / 河口閉塞 |
Research Abstract |
平水時の排水路では、流量が少なく沈積物や水溜まりを掃流することができないが、貯留された水を一気に放出させると、掃流力の大きな流れ(急変不定流)を発生させることができる。本研究では、これを転倒ゲートと重錘とを組み合わせた自動転倒ゲートシステムで自動的に行わせようとするものである。このシステムでは、ゲート転倒のタイミング検出のための電気的な機構やゲートを作動させるためのエネルギーは一切必要とせず、もっぱら流れのエネルギーだけで作動して沈積物や悪水をフラッシュする。ここでは、このゲートシステムの水理特性を明らかにするとともに、河口閉塞対策工法に応用する方法も検討した。以下に、研究成果の概要を示す。 1.転倒ゲートシステムの作動特性(ゲートの転倒・復帰のタイミング)をゲート板に作用する水圧と重錘との釣り合いから把握する方法を明らかにし、実験で確認した。 2.ゲート転倒によって発生する流れ(急変不定流)を精度良く予測する解析法を開発した。これから得れられる結果は、実験水路に形成される急変不定流の性状(段波波高、伝播速度、流速、下流構造物による反射など)をほぼ説明づけた。 3.その急変不定流が有する掃流能力の概要を把握するために、層状に堆積した土砂の掃砂実験を行い、掃砂効率を把握した。 4.また、掃砂のメカニズムを固液二相流の基礎方程式から検討し、流れの乱流構造と流砂機構との関係も検討し、流砂濃度、流速分布を推定する方法を開発した。 5.河口閉塞対策に応用することを想定し、大規模な実験を行った。その結果は、(1)児童ゲートシステムを利用して掃流力増強を図るだけでは、十分その目的を果たせない。(2)ボトムパネル(フィン状矢板)群を河口前浜延長線上に二列に配置し、流れと流砂を制御することによって、その欠点を克服できる。 6.ボトムパネル(フィン状矢板)群の配置法を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 木ノ瀬紘一: "懸錘式自動ゲートの水理特性" 農業土木学会論文集. 171. 121-129 (1994)
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[Publications] 中石克也: "塩濃度がアルカリ状態におけるカオリナイト・水素の塑性粘度に及ぼす影響" 農業土木学会論文集. 174. 135-136 (1994)
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[Publications] 木ノ瀬紘一: "浮遊砂を伴う流れの濃度と流速分布の推定モデル" 農業土木学会論文集. 184(予定)(印刷中). (1996)
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[Publications] 木ノ瀬,紘一: "流砂解析のためのK-E方程式とその解析例" 農業土木学会論文集. 183(予定)(印刷中). (1996)
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[Publications] 奥島修二・木ノ瀬,紘一: "掃流力増強と局所洗掘による河口澪筋の維持" 農業土木学会論文集. 183(予定)(印刷中). (1996)